2021年12月31日金曜日

2021年を振り返って

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
今年もブログを読んでくださり、ありがとうございました。
6月よりIRを担当させていただくこととなり、ブログ記事も書かせて頂くようになりました。感想などもお寄せいただきありがとうございました。

2021年、特に皆さまからの関心が高かったのは以下のトピックです。

中期計画について8/16
3月に発表した中期目標について2Q決算説明会で行った説明の補足です

窪田会長の退任について2/11
→今年の株主総会で退任された窪田会長の人間的な魅力について、岩田さんが書かれました

RayzeBioからマイルストーン受領6/10
→放射性治療薬について説明させていただいています

3Q決算について10/13
→思わせぶりなタイトルでしたが、単なる告知でした。R&D説明会を実施することをお知らせさせていただきました
 
もっともアクセスが多かったのは岩田さんのこちらのブログです
ペプチドリーマー (5/31)
→岩田さんが5月いっぱいで退職された際の投稿です。9年間のペプチドリームに関する思い出が書かれています
 
今年は、富士フイルム富山化学の放射性医薬品事業の取得など新たな方向性を出した1年であり、窪田会長・岩田部長がお辞めになったタイミングでもあったということで、ペプチドリームは今後どうなっていくのか?というご質問を多く頂きました。ペプチドをベースとした創薬を中心に進めていくという点にまったく変わりはありません。ペプチド創薬の可能性として放射性医薬品・コロナ治療薬・核酸医薬品などさまざまな面をお伝えさせていただきました。
 
来年も創薬研究を推進していき、また進捗をご報告したいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
 
橋の開通日が2022/3/12に決定しました。画質が悪くてわかりませんが、開通日を点灯しています。



2021年12月22日水曜日

業績予想の修正について

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
本日、業績予想の修正に関するお知らせを発表させていただきましたリンク)。
 
これまで、新たな創薬共同研究開発契約の締結に向けたフィージビリティ試験および交渉を複数企業と進めてきました。
しかし、臨床入りの遅れの説明の際にも記載させて頂いたのですが(リンク)、
コロナ禍で外部CROを含む研究リソースが逼迫している状況の中、交渉先の意思決定の際に必要なフィージビリティ試験の完了時期が想定より後ろ倒しとなったことなどにより、今期中に見込んでいた契約締結が来期にずれ込む見通しとなりました。

202112月期通期業績が2021年2月に発表した期初予想を下回る見込みとなったことから、業績予想数値の修正を行いました。
 
売上高 110億円以上(前回予想)→93億円(今回予想)
営業利益 50億円以上(前回予想)→43億円(今回予想)
経常利益 50億円以上(前回予想)→46億円(今回予想)
当期純利益 36億円以上(前回予想)→33億円(今回予想)
 
昨年は12/23Janssen社との契約を発表したため、12月の新規契約のリリースなどを心待ちにしていただいた株主の方も多いかと思います。今年も昨年同様、年末ぎりぎりまで交渉活動を続けておりましたが、クリスマスシーズンに入り、残念ながら業績予想を修正することとなりました。
 
来年は年初から研究開発活動と契約交渉を同時に進めていきますので、また良い進捗がご報告できるようにと思っています。
引き続きよろしくお願いいたします。

2021年12月21日火曜日

マイクロ波化学株式会社のプレスリリースで紹介されました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

少し前の話になりますが、20211129日、マイクロ波化学株式会社より、ペプチド・核酸医薬等を対象とした固相合成装置「PharmaWave-1」が発売され、共同開発先として紹介されましたリンク)。

マイクロ波は電子レンジに使用されている電磁波のことです。研究室ではマイクロ波を用いたペプチド合成装置は汎用的に使われていますが、工業的に利用された例はありませんでした。
その理由として、電子レンジで温めることを考えていただくとご想像がつくかと思いますが、「ムラなく」反応させることが小さいスケールで可能でも、大きくなると難しいからです。また、マイクロ波が漏洩したり、他の電子機器に悪影響を与えてはいけないということもありました。

マイクロ波化学では、スケールアップした際の波の分布をシミュレーションし、ペプチド・核酸医薬品などに最適な設計を行ったということです。(ペプチドも核酸もパーツをつなげていくという点で合成化学の観点からは似ているということです)。

マイクロ波を用いることで反応時間の短縮・消費エネルギーの抑制につながり、より効率的なペプチド合成を行えることが期待できるということです。
 
どうぞよろしくお願いいたします。

こちらもご覧ください

2021年12月17日金曜日

R&D説明会 トピック③:その他プログラムの進捗

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
 
R&D説明会で説明した、その他の自社プログラムの進捗状況をご紹介します。

1.    PD-001
ヘマグルチニン(HA、インフルエンザワクチンの表面上に存在するタンパク質)を標的とした抗インフルエンザウイルス治療薬としての開発を行っているPD-001は、2019年に単剤での非臨床毒性試験がほぼ終了し、大きな問題がないことを確認していました。
ところが、2020年からのコロナウイルス感染症の発生・拡大により、インフルエンザウイルス治療薬の臨床開発は停滞したため、ライセンス活動を行うのに適切なタイミングではないと判断しました。
 
PD-001の今後の計画
 
2022年以降、最適なタイミングでライセンス活動を再開しますが、その間にPD-001の付加価値を高める活動を行っています。PD-001より体内で長期間効果を持続するペプチドを取得しました。また、もともとPD-001はヘマグルチニンのサブタイプの中でもGroup1株と呼ばれるものに強く結合するのですが、Group2株を阻害するペプチドの取得も実施しています。

2.    IL17阻害ペプチド
2019年からIL17阻害剤の研究開発を進めています。対象疾患となるのは自己免疫疾患や、アレルギーです。しかし、免疫システムは1個の経路を押さえても別の経路が活性化されたりと、非常に複雑です。従って、同時に複数の経路を抑え込むことが有効だと考えられてきています。現在、自己免疫疾患で臨床開発を行っているものを見ると、バイスペシフィック抗体(※)など、複数のターゲットに同時に働くものが主流となっています。
 
自己免疫疾患領域の主な開発品

ペプチドリームもIL17阻害ペプチドに、さらに別のサイトカイン阻害ペプチドを組み合わせる開発を検討中です。
※バイスペシフィック抗体:2種類の抗原に同時に結合することが可能な抗体。
 
3.    PG-001/002
ペプチグロースからPG-001/002の発売を開始したことはすでにお伝えさせていただきました(リンク1リンク2)。

これらは、細胞増殖・分化に関わるペプチドで、再生医療・細胞治療において細胞を増殖・維持したり、目的の細胞に分化させる際に培地に添加することを想定しています。
一方で、医薬品としての開発をペプチドリームで行っております。PG-001/002はすでに機能を示しているので、これらをリード化合物として開発を進めながら、様々な提携可能性を検討していきたいと思います。
 
引き続きよろしくお願いいたします。

2021年12月16日木曜日

クリスマスツリー

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
今年も入口にクリスマスツリーを飾りました。


写真に写っているのはペプチドリームに所属している車いすラグビー選手である田邉選手です!試合の際のぶつかり合いの衝撃など、リアルなお話をいろいろ聞かせていただきました。

少し前に、羽賀選手にも来ていただき、今年のご活躍についてお聞きしました。


私は今年はじめて車いすラグビーを観戦(テレビですが)したのですが、スピーディーな試合展開が面白く、ぶつかり合いの迫力に目が離せず、試合があっという間に感じました。
例年は両選手には体験会など、さまざまなイベントにご協力いただいていたのですが、今年はほとんどそのような機会がありませんでした。オミクロン株も予断を許さない状況ですが、来年以降状況が改善することを願っています。
 
多摩川スカイブリッジは、夜の照明が灯るようになりました。最近小学生による見学会も開催されたということです。


引き続きよろしくお願いいたします。

2021年12月15日水曜日

R&D説明会 トピック②:ペプチエイドのコロナ治療薬プログラムの進捗

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

本日はペプチエイドで実施しているコロナ治療薬プログラム(PA-001)の進捗について補足させていただきます。PA-0012021/11/11に非臨床試験完了と2022/1の臨床研究の開始についてリリースしましたが(リンク)、R&D説明会ではさらに、①緊急使用許可取得済みの薬剤との併用効果、②経口剤としての可能性、についてご紹介させていただきました。

    他の薬剤との併用効果

他の薬剤と併用することで、効果を数十倍に高めたり、投与量を減らすことができるというデータをご紹介しました。

    経口剤としての可能性

経口製剤技術を用い、経口投与により十分な血中濃度が得られることを動物実験で確認しました。これは、2021/8/27のブログでご紹介したような(リンク)、経口化するためヒットペプチドの構造を変えていくということではなく、製剤技術(元の薬にさまざまな物質を加えて実際に服用される形態にすること)によって経口剤として使えるようにするというコンセプトです。

これらはいずれも、PA-001の独自の作用機序や、変異株への効果に加えての優位性になると考えています。提携活動においてもプラスになる情報として活用したいと思っています。

ペプチエイドが取り組むコロナ治療薬開発の取り組みについて金曜日に放送されるガイアの夜明けで取り上げていただくことになりました。


放映日時:20211217()2200

放送局:テレビ東京系列

番組名:ガイアの夜明け「ワクチンの真実3~独占取材!国産開発の全貌~」リンク


また、ガイアの夜明けの放送に先立ち、テレ東BIZという経済動画サービスで取り上げていただきました。

ペプチド医薬品やPA-001について解説しています(リンク)。

こちらも併せて、よろしければぜひご覧ください。

引き続きよろしくお願いいたします。

2021年12月14日火曜日

R&D説明会 トピック①:Bristol Myers Squibb社とのプログラムの進捗

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

11/29に開催したR&D説明会で、Bristol Myers SquibbBMS)社とのプログラムの進捗についても説明させていただきました。

BMS社とは2010年に創薬共同研究を開始し、複数のプロジェクトを進めています。現状、PD-L1に関連する治療薬・診断薬が臨床試験にはいっています。

PD-L1阻害ペプチドとして開発を進めているBMS-98618920166月にフェーズ1試験に入り、201612月に終了しました(リンク)。

PD-L1阻害剤


試験の目的は薬物動態や安全性を確認することであり、良好なデータが取得されました。今後は新たなBMS-986189アナログに対する別の臨床試験を計画中であるとのことです。

食道・胃に関連する各種がんに対する診断薬として開発を進めているBMS-986229PD-L1阻害ペプチドに放射性物質である18F=放射性物質)を結合したPDC医薬品です。18FのシグナルをPET/CTで検知することで、PD-L1陽性のがん細胞の体内での存在の有無や分布を知ることができ、今後の治療方針(免疫チェックポイント阻害剤が有効かどうか)を決める際に役立つと考えられます。Clinicaltrials.govによると試験の終了は2023/11/12を予定しています(リンク)。

PD-L1への特異的結合


PET/CTとはPET(陽電子放出断層撮影)検査と、CTによる画像検査を組み合わせたものです。一般的なPET検査はブドウ糖に18Fを組み込んだ18F-FDGを用います。がん細胞は代謝が活発なので正常細胞より多くブドウ糖を取り込むため、ある大きさ以上のがんはPETで発見できると言われています。CTX線を用いて部位を絞って人体の輪切り画像を撮影していく装置です。一般的なFDG-PETはブドウ糖の集積という現象に基づくイメージング手法なので、MRICTなど、臓器の形態の撮影に秀でた検査と組み合わせることが一般的です。

BMS-986229PD-L1阻害ペプチドと18Fを組み合わせることで、PD-L1を発現している細胞に特異的に結合しシグナルを発生するため、FDGを用いる検査より高い精度でPD-L1陽性のがん細胞を検出できると考えられます。このように、薬剤ターゲットに特異的なPETイメージングが実用化されることで、治療方針の決定や治療効果の判定を迅速に行うことができ、がんのような進行性の疾患に対する治療の大幅な改善が期待できます。

BMS社のプログラムは2016年に臨床試験に入って以来、あまり進捗をお伝えできていなかったので、今回限られた内容ではありますが、可能な範囲で開示させていただきました。がん免疫の領域はBMS社にとって重要な領域の1つであり、薬剤の開発状況や市場環境の変化もある中で、当プログラムについての開発方針を考えているのではないかと思います。

今後も可能な範囲でアップデートをお伝えできればと思っています。

引き続きよろしくお願いいたします。

2021年12月10日金曜日

窪田前社長の連載が日本経済新聞に連載されました

 みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

12/6から、ペプチドリームの窪田前社長の連載が日本経済新聞夕刊「人間発見」に掲載されていました。

生い立ちから、ペプチドリーム創業に至る経緯、創業当時の様子、現在社長をつとめるKSPで目指すことなど、時系列に沿って紹介されています。

海外でのIT・ライフサイエンス分野での大きな波に日本が乗り遅れたのは、ベンチャーを創出・育成する支援システムが未成熟であったという考えのもと、KSPでのベンチャー支援を進めていきたいということです。

ぜひご覧いただけたらと思います。
よろしくお願いいたします。

2021年12月7日火曜日

R&D説明会を開催しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
遅ればせながら、11/29に開催したR&D説明会の音声(リンク)を11/30に、QAのサマリー(リンク)を昨日12/6にホームページに掲載させていただきました。
 
R&D説明会は、研究開発の状況をR&Dを統括する舛屋から直接ご説明するという試みです。
  • 開発プログラムの進捗状況
  • 主要プログラムのデータの概要、今後の開発方針
  • PDC取り組みの進捗・方針
  • 研究開発体制の変遷と今後の計画
についてお話させていただきましたリンク)。
 
各プログラムの進捗状況についてはR&D説明会資料の4ページに記載しています。
パートナーとの共同研究開発プログラムについては守秘義務を負っており、「非開示・計画中」という記載が多いですが、自社/戦略的パートナーとのプログラムを中心に現状どのステージにあり、臨床入りをいつ計画しているのかという見通しを記載させていただきました。


現状臨床段階にあるプログラムは202110月にP1a/1b入りしたBHV-1100Biohaven社)を含め3プログラムです。
今年度期初に今期臨床入りプログラム数を48個、中間決算の際にはその前半に近い方である、とお伝えしました。これは、4ページの資料のNo3~6、912を想定していました。
しかし、Biohaven社のプログラムに代表されるように、新型コロナウイルス感染症の影響で臨床試験が全体的に遅れている中で、臨床入りについても当初の想定より遅れているものが多く、現時点ではBHV-11001プログラムとなっています。
また、年内の臨床入りを目指していたPA-001(ペプチエイド)については、年明けにずれこみ、2022/1の開始を計画しています(リンク)。
 
2022年はPA-001に加え、AZP-3813Amolyt社)の臨床入りも計画されています(リンク)。また、「計画中」と記載のプログラムも臨床入りの可能性があり、特に、診断薬としての開発プログラムは迅速に臨床に入る可能性があります。
プログラムの進捗については、これから四半期ごとにこのページを更新していき、より透明性を高めていきたいと思っています。
 
臨床入りのニュースを心待ちにしてくださっている株主の皆様が多いと思いますが、計画より大幅に遅れており、ご心配をおかけしております。
  • 新型コロナウイルス感染症の対応のため、医療機関が(特に新規の)臨床試験の実施に割けるリソースが限定されている
  • 特に海外の製薬企業において、研究所のシャットダウンやリモートシフトに伴って外部CROのリソースが取り合いになり、臨床入りに必要な非臨床試験データ取得に遅れが生じている
  • 製薬企業の臨床プログラム全体に遅れが生じる中、新たな臨床プログラム開始の意思決定も影響を受けている
などの、さまざまな複合的な要因による影響を受けたためだと考えています。
 
開発は継続して実施しているので、アップデートがあり次第、お伝えさせていただきます。
引き続きよろしくお願いいたします。

2021年11月17日水曜日

日経「SDGs経営」調査に参加しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

本日の日本経済新聞に、日経「SDGs経営」調査2021の結果が発表されました。
ペプチドリームの総合評価は今月はじめのスマートワーク経営と同じく“星3つ半”となりました。(★5つが最高評価です)

SDGs経営調査の評価は「SDGs戦略・経済価値」「社会価値」「環境価値」「ガバナンス」の4分野で構成されており、それぞれ偏差値として評価され、総合評価となっています。

昨年調査と比較して、ガバナンスやSDGs戦略などを高く評価いただき、★3つから上がりました。

ESGへの取り組みは各社が切磋琢磨しており、毎年どんどん平均値が上がっている状況ですが、当社も、引き続き環境への取り組みや社会課題への対応を進めていきたいと思います。

引き続きよろしくお願いいたします。

2021年11月11日木曜日

2021年度第三四半期決算を発表しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
2021年度第三四半期決算を発表しました(リンク)。

売上高は77.6億円(前年同期比+102.5%)、営業利益は44.1億円(前年同期比+342.4%。売上高の進捗は通期予想に対して約70%と、ほぼ想定通りに進んでいます。
 
3Q売上の主なものとしては
7/27 武田薬品との中枢神経系疾患に対するPDCに関する契約の締結に伴う契約一時金
7/30 Alnylam社とのRNAi治療薬に対するPDCに関する契約の締結に伴う契約一時金
9/29 Janssen社へのPDPS技術ライセンスに関するマイルストーンフィー
などです。
 
プログラムの進捗については、10/27Biohaven社がBHV-1100の臨床試験を開始しました(リンク)。ペプチエイドが開発を実施しているPA-001については年内の臨床入りを目指していましたが、年内に臨床研究を実施するための臨床研究審査委員会への申請を行い、2022/1の開始を計画しています。臨床開始については年明けにずれ込んでしまいましたが、最速での臨床入りと、臨床開発に要する期間を最適化するという観点から、いわゆるフェーズ試験ではなく、臨床研究を活用することで早期に臨床データを取得していくということを考えております(リンク)。
 
また、そのほかの主なニュースとしては、
11/11 202212月期よりIFRSの任意適用の開始を決定(リンク
10/26 富士フイルム富山化学株式会社の放射性医薬品事業取得に係る資金のパーマネント化に関して、金融機関からの借入により資金調達を行う方向で検討(リンク
などを発表させていただきました。
放射性医薬品事業のペプチドリームへのインパクトについては取得が完了する予定である2022/3以降に、より具体的にご説明できると思います。
 
どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

2021年11月9日火曜日

ChromaJeanと共同でペプチド分離・精製プラットフォームを構築

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

 2021119日、ChromaJean(クロマジーン)とのペプチド分離・精製プラットフォーム構築に関するリリースを発表しました(リンク)。

ChromaJean社とは、202011月に戦略的パートナーシップの契約を締結し、共同でペプチドの分離・精製に関するプラットフォームの構築を行っていました。

ペプチドを合成後、原料成分や他の反応生成物などから単離し精製するというステップが必要ですが、ペプチドは物性や構造が多岐にわたっているために条件設定が難しく、作業者のスキルや経験、勘に依存する要素が多くありました。

今回、ペプチド分離・精製に関する最適な条件での自動化を実現することができました。これにより、最低限の人員で迅速に精製が可能となります。

ヒットペプチドの薬効を様々なモデル系で検証する上で、ペプチド合成・精製はファーストステップであり、プログラム数が拡大している中で、分離・精製の効率化は大きなポイントの1つでした。PDPSのオートメーション化などと並び、業務の省力化・ハイスループット化に引き続き取り組んでいきたいと思います。

どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
 

2021年11月8日月曜日

ペプチグロースからPG-002販売開始

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2021118日、ペプチドリームの関連会社であるペプチグロースより、本年8月に販売開始したPG-001に続く2製品目となるPG-002に関するリリースを発表しました(リンク)。

PG-002TGFβ1という細胞増殖・分化に関与するサイトカインに結合し、TGFβ1が受容体に結合するのを阻害します。SBEレポーターアッセイという方法を用いて、TGFβ1の下流のシグナルの活性化を抑えることを確認しました。

TGFβ1のシグナルカスケードを阻害する低分子や中和抗体などの代わりに細胞の分化調節のために使用されることを想定しています。

PG-00211月中旬以降の販売開始を予定しており、さらに、来年の3月までにもう1品目販売を開始する予定です。

ペプチグロースの製品開発が順調に進んでいること、大変うれしく思います。
どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
 
こちらもご覧ください

2021年11月5日金曜日

日経「スマートワーク経営」調査に参加しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

本日の日本経済新聞に、日経「スマートワーク経営」調査2021の結果が発表されています。ペプチドリームの総合評価は3つ半となりました。(★5つが最高評価です)

スマートワーク経営調査の評価は「人材活用力」「イノベーション力」「市場開拓力」の3分野で構成されており、それぞれスコアを測定し総合評価となっています。イノベーション力についてはSランクと、例年通り高い評価をしていただき、人材活用力と市場開拓力でも「A++」の評価をいただきました。

今後も、人材活用施策など、事業を伸ばし、サステナビリティを高めていく取り組みを進めていきたいと思います。

引き続きよろしくお願いいたします。

2021年10月27日水曜日

Biohaven社がBHV-1100の臨床試験を開始しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

1027日にペプチドリームの戦略的提携先であるBiohaven PharmaceuticalsBiohaven社)が、多発性骨髄腫の患者さんを対象とするフェーズ1a/1b試験の開始に関するプレスリリースを発表しました(リンク)。
 
BHV-1100はもともとKP1237という開発コードで、20177月にペプチドリームとKleo Pharmaceuticalsが開始した共同研究開発で見出されたPDC医薬品です。
20202月にIND承認、20209月にはオーファンドラッグ指定を受け臨床試験の準備を行っていました。
20211月のBiohaven社とKleo Pharmaceuticalsの合併により、Biohaven社が開発を引き継ぎ、今般のプレスリリースに至りました。
 
今回開始したフェーズ1a/1b試験はがん免疫治療の一種で、
移植前に測定可能残存病変(MRD)が陽性である多発性骨髄腫の患者さんに対して、BHV-1100と患者さん由来のNK細胞(ナチュラルキラー細胞、免疫細胞の一種)を併用する試験を実施します。
MRDとは治療後も患者さんの体内にがん細胞が残っているかを示すもので、MRDが陽性であると再発の可能性が高くなると考えられています。
 
がん免疫治療とは、人間の身体に備わった免疫機能を活用したがん治療のことで、がんの3大治療と言われている「手術」「薬物療法」「放射線治療」の次に位置する「第4の治療法」と言われることがあります。免疫細胞ががん細胞を攻撃する性質を用いてがん細胞を特異的に攻撃するので、副作用が少ないと言われています。

がん免疫治療とは

BHV-1100CD38-ARMと呼ばれる2つのモジュールを組み合わせたPDC医薬品です。

BHV-1100の構造

モジュール①にはペプチドリームの特殊環状ペプチドの技術が使われており、骨髄腫細胞に多く発現しているCD38というターゲットに特異的に結合します。

モジュール②はBiohaven社の独自の技術でIgG抗体に結合する性質を持つ分子です。

 

本来NK細胞は特定のタンパク質をターゲットにすることは無いのですが、今般の併用試験ではBHV-1100NK細胞と骨髄腫細胞をブリッジすることにより、NK細胞が効率的に骨髄腫細胞まで運ばれ、免疫作用によりがん細胞を破壊することを狙いとしています。


NK細胞との併用


CD38はすでに効果が検証されているターゲットです。

CD38を標的とするモノクローナル抗体であるDarzalex(ダラザレックス)は

2015年に再発性・難治性の多発性骨髄腫に対する治療薬として米国で上市し、

2019年からは移植が不適応の多発性骨髄腫のファーストライン治療として使用されています。

 

ARM2つのモジュールの組み合わせにより

抗体医薬のADCC活性と同じ働きを持たせることを目指しており、

さらに以下の点などが抗体医薬品より優位である可能性があります。

 

・サイズが小さく、目的に合わせてモジュールを組み替えることが可能

・製造コストが小さく、製造にかかる時間も短い

・サイズが小さいため免疫原性などの問題を起こしづらい

 

また、CD38-ARMに関する細胞や動物を用いた実験では、

ダラザレックス投与でみられる副作用の1つであるNK細胞の減少が起きていないという結果が得られています。

 

今般のフェーズ1a/1b試験の主な目的は安全性を確認することにありますが

移植後MRD陽性からMRD陰性へと変化させる作用があるか、生存率の向上が認められるかなど、治療効果も確認する計画です。


※がん治療薬の場合には、一部有効性データを含めたPh1a/1b試験を完了した後に、Ph2/3(ピボタル試験)を行うという、2段階での開発を行うケースが多いです。旧Kleo社では、Ph2/3ピボタル試験の前段階として、Ph1/2試験と称していましたが、内容としては同じものを指しています。

 

Biohaven社が患者さんのリクルートを開始したのは20216月でしたが、最初の患者登録は202110月と想定以上に時間を要しました。移植を伴う治療であり、また免疫機能に影響を受けているがん患者さんに対する臨床試験という中、コロナ禍の中で治験を実施する医療機関側の受け入れ体制の確保、治療のスケジュール調整に時間を要したという背景があったものと認識しています。株主の皆さまからはご心配の声を多くいただきましたが、ようやく開始することとなり大変うれしく思います。

 

PDPSから生み出されたPDC医薬品がはじめて臨床試験に入るということで、大変楽しみにしているとともに、今後の進捗をしっかり見守っていきたいと思います。

 

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。


参考にしたサイト:

Biohaven社ウェブサイト

がん情報サービス 免疫療法

Johnson & Johnson 開示資料

ダラザレックス インタビューフォーム


こちらのブログも参照下さい:

クリオ社の臨床候補化合物KP1237が米国FDAよりオーファンドラッグ指定を受けました

クリオ社がASCOKP1237をポスター発表します

クリオ社のIND申請が米国FDAから承認されました

米国血液学会(ASH)でクリオ社がCD38-ARMについてポスター発表

米クリオ社との共同研究において多発性骨髄腫を適応症とする臨床候補化合物を創製

クリオとの戦略的共同研究契約について


2021年10月26日火曜日

資金調達の検討状況を発表しました

 みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
20211026日、借入による資金調達検討に関するお知らせを発表しました(リンク
 
ペプチドリームは202192日に富士フイルム富山化学株式会社の放射性医薬品事業の取得を発表しましたが、取得資金について、金融機関からの借入を行う方向で検討を進めています。
 
借入を行うことが決定すれば、詳細な時期・条件などと共にまた開示させていただきたいと思います。
 
どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

2021年10月21日木曜日

日本経済新聞電子版に掲載されました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
20211021日、日本経済新聞電子版でペプチドリームを取り上げていただきました(リンク)。

特許庁がまとめた資料をもとに、ペプチド医薬品や核酸医薬品の特許の出願状況や開発状況を紹介しており、その中で日本のペプチド医薬の注目株としてペプチドリームを取り上げていただきました。
ぜひご覧になってみて下さい。
 
どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

2021年10月15日金曜日

読売新聞に掲載されました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

20211014日、読売新聞でペプチドリームを取り上げていただきました。
川崎市の市長選に絡め「川崎の岐路」というコラムの中で
川崎市の埋め立て臨海部の変遷の象徴としてペプチドリームを取り上げていただきました。
 
神奈川県の欄ということで神奈川近辺の紙面のみの掲載だと思いますがぜひご覧になってみて下さい。
 
どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

2021年10月13日水曜日

2021年3Q決算について

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
 
当社の202112月期 第三四半期決算の発表は1111日(木)の1530分を予定しています。

3Qは決算説明会は実施いたしませんが、パイプラインプログラムのアップデート等を中心とする事業説明カンファレンスコールを1129日(月)に実施いたします。
カンファレンスコールの音声は弊社HP等で後日オンデマンド配信を予定しています。
 
どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

2021年10月8日金曜日

日本経済新聞電子版に掲載されました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

昨夜、千葉県を震源とする地震がありましたが皆さまは影響ありませんでしたでしょうか。
ペプチドリームの本社のあたりは震度5弱~4程度で、幸い実験機器やサンプルへの影響はありませんでした。
(実は、私の使っているパソコンの液晶モニターが破損したのが社内で最大の被害でした。)
 
さて、本日2021108日、日本経済新聞の電子版でペプチドリームを取り上げていただきました(リンク)。
105日の日経産業新聞の記事と同様、ペプチドリームのプラットフォーム技術であるPDPSの強みをご説明していますので、ぜひご覧ください。

どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

2021年10月5日火曜日

日経産業新聞に掲載されました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2021105日、日経産業新聞の「Tech X」コーナー(16ページでペプチドリームを取り上げていただきました。
ペプチドリームの特殊環状ペプチドの特徴や、PA-001がコロナウイルスを「羽交い締め」にして細胞への侵入を阻止する仕組みなどをご紹介いただきました。

あらためて、ペプチドリームのプラットフォーム技術であるPDPSの強みをご説明していますので、ぜひご覧ください。
 
どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。