みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
少し前の話になりますが、2021年11月29日、マイクロ波化学株式会社より、ペプチド・核酸医薬等を対象とした固相合成装置「PharmaWave-1」が発売され、共同開発先として紹介されました(リンク)。
マイクロ波は電子レンジに使用されている電磁波のことです。研究室ではマイクロ波を用いたペプチド合成装置は汎用的に使われていますが、工業的に利用された例はありませんでした。
その理由として、電子レンジで温めることを考えていただくとご想像がつくかと思いますが、「ムラなく」反応させることが小さいスケールで可能でも、大きくなると難しいからです。また、マイクロ波が漏洩したり、他の電子機器に悪影響を与えてはいけないということもありました。
マイクロ波化学では、スケールアップした際の波の分布をシミュレーションし、ペプチド・核酸医薬品などに最適な設計を行ったということです。(ペプチドも核酸もパーツをつなげていくという点で合成化学の観点からは似ているということです)。
マイクロ波を用いることで反応時間の短縮・消費エネルギーの抑制につながり、より効率的なペプチド合成を行えることが期待できるということです。
こちらもご覧ください