2022年5月31日火曜日

論文・学会発表を掲載しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

ペプチドリームのウェブサイトに、新たに「論文掲載」というページを作成しました(リンク)。
2021年以降のペプチドリームが関与する主な論文や、先日の欧州内分泌学会のポスターへのリンクを掲載しています。

今後も、論文や学会発表などに関連する情報を掲載していきたいと思います。

どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。


2022年5月30日月曜日

Amolyt社がAZP-3813について学会発表を行いました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/5/22Amolyt社が欧州内分泌学会(ECE)で、当社からのライセンス品であるAZP-3813の研究成果の発表を行いました(リンク)。

先端巨大症の治療は、5/17ブログでご紹介したように、成長ホルモンの分泌そのものを抑制するか、成長ホルモンを細胞内に取り込むレセプターの働きを阻害することでIGF-1の体内濃度を下げるという方法が取られています。AZP-3813はペプチドリームの創薬プラットフォームであるPDPSを用い成長ホルモン受容体に対するアンタゴニストとして見出され、ターゲットへの結合性や溶解性、血中半減期などをさらに向上させる最適化を行った医薬品候補化合物です。

今回の学会発表では、成長ホルモンと成長ホルモン受容体の相互作用を阻害し、IGF1レベルの上昇を抑える効果を確かめるため、ラットにAZP-3813を様々な量で投与しました。投与前と投与24-72時間後に血液を採取しIGF1の量を確認したところ、投与24時間後に容量依存的にIGF1レベルの抑制が見られました。投与48時間後には、IGF1レベルはコントロール群と同等のレベルに戻りました。
また、AZP-381330mg/kg11回または12回)で4日間投与し、投与前後のIGF1レベルを確認しました。この実験ではすでに先端巨大症の治療薬として販売されているSomavert100mg/kg11回)投与した比較群についても同様の解析を行いました。
AZP-3813投与群においては、IGF1の抑制は1回投与した24時間後が最大であり、その後、最後の投与を行って24時間後までそのレベルが維持されました。一方、Somavert投与群では、徐々にIGF1レベルがさがり、4日目に最大の抑制効果を示しました。
IGF1のレベルは個体間、あるいは個体内でも変動が大きいのですが、AZP-3813の投与により、IGF1レベルを抑制し、その変動を少なくコントロールできているデータが示されました。

このように、ラットのモデルにおいて、すでに先端巨大症の治療薬として販売されているSomavertと比較して、より迅速・強力にIGF-1の体内濃度を下げることを示しました。

今後、AZP-3813を先端巨大症の医薬品候補化合物として開発を進めていくのにあたり、非常に高い可能性を示すデータであると考えています。
今後の開発の進捗に期待したいと思います。

2022年5月24日火曜日

Genentech社とc-Metアゴニストに関する提携を行いました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/5/23Genentech社とc-Metアゴニストプログラムに関する提携を行いました(リンク)。

これは、ペプチグロースとの再生医療・細胞治療のための成長因子の代替ペプチドに関する研究開発の中から見出されたものです。PG-001はペプチグロースから昨年販売を開始した第一号製品ですが、これはc-METという受容体に結合することで細胞の増殖を引き起こすHGF(肝細胞増殖因子)の代替となるペプチドです。PG-001の医薬品用途としての開発・販売に関してはペプチドリームが権利を保有していましたが、今般Genentech社と共同研究開発を進めていくこととなりました。代替ペプチドの医薬品用途として初めて提携を実施できたことは、大変すばらしいことと思っています。

現状ペプチグロースでは3製品の販売を開始し、今年の第3四半期にはPG-004の販売開始を予定しています。引き続き、提携活動を続けていきたいと考えています。

よろしくお願いいたします。

こちらもご覧ください:

2022年5月20日金曜日

キングスカイフロントにオープンしたLINK-Jコミュニケーションラウンジに行ってきました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/5/16に開催されたキングスカイフロントのLINK-Jコミュニケーションラウンジのお披露目会に行ってきました。

これは、川崎市とLINK-J(※1)が共同で運営するということでキングスカイフロントに立地している機関の人間や、LINK-Jの会員が利用し、飲み物を飲みながら話をしたり、仕事ができる場であるということです。

足もと、徐々に対面での会議の機会が増え、パートナーがペプチドリームをリアルに訪問するという機会も徐々に再開しています。このような交流の機会がまた増えてくることで、連携の機会を増やしていきたいと思います。




引き続きよろしくお願いいたします。

※1 LINK-J:一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン。ライフサイエンス領域での交流・連携やスタートアップの育成・支援などを推進している。

2022年5月17日火曜日

Amolyt社がAZP-3813について学会発表を行います

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

昨日、Amolyt社が欧州内分泌学会(ECE)及び米国内分泌学会(ENDO)で、ペプチドリームからのライセンス品であるAZP-3813の研究成果の発表を行うことをリリースしました(リンク)。

AZP-3813は成長ホルモン受容体の働きを阻害するペプチドで、Amolyt社が20219月にペプチドリームからライセンスしました。現状、Amolyt社が先端巨大症の治療薬としての研究開発を実施しており、2022年中の臨床入りを目標にしています。

先端巨大症は良性の腫瘍から成長ホルモンが異常に多く分泌されることにより発生すると考えられている希少疾患で、欧米の患者数は6万人以上、国内の患者数は1万人前後と言われています。

この成長ホルモンの過剰な分泌により、細胞内でIGF-1というホルモンが多く産生され合併症の発症などの病態の悪化に関連すると考えられています。先端巨大症の治療は、下図のように、①成長ホルモンの産生を抑制するか、②成長ホルモン受容体の働きを阻害することでIGF-1の体内濃度を下げるという方法が取られています。


ECE
での発表では、AZP-3813がすでに先端巨大症の治療薬として販売されているSomavert(※1)と比較して、より迅速・強力にIGF-1の体内濃度を下げることを示すということです。現状先端巨大症の治療薬として使われているソマトスタチン誘導体やSomavert2020年の売上合計が63 億ドル(約8,100億円)までのぼっていますが、現状の治療では必ずしも精密なIGF-1レベルの制御が実現できていません。Amolyt社ではAZP-3813をソマトスタチン誘導体と併用される薬剤としての開発を計画しています。

今回、AZP-3813の順調な進捗が学会で発表されるということで、大変嬉しく思っています。今後の開発についても引き続きフォローし、何か進展があればご報告させて頂きたいと思います。

1 SomavertPfizerから販売されている先端巨大症の治療薬。成長ホルモンの受容体への結合を阻害するタンパク製剤で、皮下注射により投与します。

2022年5月12日木曜日

2022年12月期 第一四半期決算について

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
本日、202212月期 第一四半期決算を発表しました(LINK)。

今回から連結決算、かつ、IFRS適用となり、変更した点がいくつかありますのでご説明します。
 
1.通期売上収益予想を245億円に変更(サマリー)

これは、PDRファーマが連結になったことによる変更です。
単体業績予想は2022/2/9202112月期決算短信で開示した130億円から変更ありません。売上収益以外の連結業績予想についてはPDRファーマ買収の影響を精査中であり、確定次第開示します。
一方、プログラム数や中期目標(13ページ)はペプチドリーム単体の数字として開示を継続します。
 
2.パイプラインの内訳について (2ページ、2021/12末時点との比較)

プログラム総数が123から124に増加しました。
PA-001の臨床入りにより、フェーズ1のプログラム数を3から4に変更、同時にGLP-INDステージのプログラム数を9から8に変更しました。
多くのプログラムがステージアップしており、PDCのパートナープログラム/自社プログラムの順調な進展によるものです。
 
※プログラム数のカウントはペプチドリーム単体です
※厳密にはPA-001で実施しているのは臨床研究ですが、安全性と薬物動態の確認が主目的であり、フェーズ1試験に準じるものとしてカウントしています
 
3.決算数値について (14ページ)

今期より連結決算・IFRS適用となり、以下のようになっています。

ペプチドリーム

子会社(PDRファーマ)

連結BS/PLに反映

1Q決算においてはBSのみ連結されています

関連会社(ペプチグロース、ペプチエイド)

BS「持分法で会計処理されている投資」、PL「持分法による投資損失」に反映

 
・売上収益は419百万円、営業利益は▲1,166百万円、四半期包括利益は▲681百万円
・販管費+研究開発費が1,089百万円と、前年同期の日本基準の値である525百万円から大幅に増加しているのは、PDRファーマの買収に関連するコストである368 百万円を費用計上しているため
・営業債権・棚卸資産・営業債務の増加の主な要因はPDRファーマ連結によるもの
・借入金の増加はPDRファーマ取得に伴うもの

1月~3月は①新規の提携やマイルストーンの達成などによる大きな一時金収益が無かったこと、②買収関連コストという一過性のコストが発生したため赤字ですが、通期計画に対しては計画通りの進捗になっています。昨年からの期ずれの提携案件についても交渉をすすめておりますので、またプレスリリースなどでご報告できたらと思います。

どうぞ引き続きよろしくお願い申し上げます。

2022年5月11日水曜日

2022年12月期 第一四半期決算の発表日時について

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

当社の202212月期 第一四半期決算の発表は明日5月12日(木)の1530分を予定しています。
ご案内が直前となってしまい、大変失礼いたしました!

例年通り、1Qは決算説明会は予定しておりません。
(2Q, 4Qで実施しています)
決算発表後、主要な点をブログでご説明させていただきます。
 
どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

Biohaven社の買収に伴うスピンアウトについて

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

昨日、Pfizer社がBiohaven社を買収することが発表されました(リンク)。

Pfizer社はBiohaven社の経口片頭痛薬NURTEC®に関する販売提携を昨年末に行っていましたが、今般、NURTECを含む複数のCGRP(※1)関連アセットの獲得を目的とした買収を発表しました。買収総額は約116億㌦(1.5兆円)、33%のプレミアム(※2)がついています。

今回の買収対象には当たらない、CGRP関連以外のアセットについては新たに設立される会社に引き継がれ(※3)、この新社が「Biohaven」という名前を引き継いで事業を継続します。

Biohaven社の株主はこの新社の株式の割当をうけ、引き続き新「Biohaven」の株主としての権利を保有します。CEOはじめ現経営陣も新「Biohaven」に残り、ARMを含むBiohaven Labsの取り組みも継続されます。

この買収の一環として、販売人員などCGRPフランチャイズに関連する人員もPfizer社に移るということで、新Biohaven社はより開発と創薬にフォーカスした組織になることが予想されます。
Biohaven Labsなど、イノベーティブな創薬に関する活動により強いフォーカスが当たり、ペプチドリームとの提携プログラムについてもより進展していくことを期待しています。

どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

※1:カルシトニン遺伝子関連ペプチド。片頭痛に大きく関与しているとされている
※2:直近90日間の加重平均取引価格との比較
※3:買収完了、新社の設立は早くて来年の初めとのこと

参考