2021年7月29日木曜日

ぺプチグロース、HGF代替ペプチド (PG-001)販売開始

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
 
2021728日、ペプチドリームの関連会社であるペプチグロースからHGF代替ペプチド (PG-001)の販売を開始することを発表しました(リンク)。
 
ぺプチグロースは昨年4月に三菱商事株式会社とペプチドリーム株式会社の合弁企業として設立されました。
ペプチドリームとぺプチグロースが共同で、数十種類の成長因子・サイトカインと同様の機能を持つペプチド(代替ペプチド)の開発を進めています。
 
細胞治療・再生医療において、細胞を増殖させ、目的の細胞へと分化(*)させる際に、成長因子とよばれる成分を少量加えることが必須です。
成長因子とは生体内で細胞の増殖・分化に関わるタンパク質などを指し、
① 動物の血清から抽出
② 遺伝子組み換え技術を用いた細胞に作らせる
などの方法で製造されています。

そのため、
・製造コストが高い
・製造ロットにより品質がばらつく
・不純物混入(血清や細胞中の成分など)
といった問題点があります。
 
(ぺプチグロースWebサイトより許可を得て転載)

HGFとは、Hapatocyte Growth Factor、肝細胞増殖因子のことで、c-METという受容体に結合することで細胞の増殖を引き起こす作用を持ちます。
8月より販売開始されるPG-001は、
    c-MET受容体への結合による活性化
    細胞増殖
の試験でHGFとほぼ同等の結果を示し、HGFの代替としての機能を持つことが確認できました。
 
ぺプチグロースとペプチドリームの共同研究開始から14か月で成長因子代替ペプチドの発売を開始することができ、年内にはさらにもう一製品の発売開始を予定しています。
まずは再生医療や細胞治療等の製品への利用のための研究に役立てていただき、将来的には再生医療・細胞治療等製品の製造に活用してもらうことを目指していきます。
 
ペプチドリームのPDPS技術がこのような形で再生医療を通じることによっても
役立っていくということを目指していきたいと思います。

どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

*分化:幹細胞(いろいろな種類の細胞になることができる細胞)から特定の役割を持った細胞に変化すること。再生医療においては修復したい組織の細胞へ分化させることがポイントとなる。