みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。3月12日の15時に「三菱商事株式会社との合弁会社設立を伴う業務提携のお知らせ」を発表しました。三菱商事と組んで何をするのかといいますと、再生医療や細胞治療、遺伝子治療(以下 再生医療等)をヒトへの医療として実用化する際に問題となっていた課題の解決です。
再生医療等が抱える課題を説明しますと、再生医療等製品の研究開発、製造には細胞培養が必要であり、細胞を体外で培養する際には培地が用いられます。この培地の主要成分が「成長因子」であり、細胞の成長・増殖や分化誘導に重要な役割を担っています。しかし、現在の成長因子は動物由来のタンパク質が主に使用されていることから高額であることに加えて、不純物混入という安全性上のリスクや製造ロット間の品質のばらつきの問題がありました。これが再生医療等を医療として実用化する際の足かせとなっていました。
これらの問題は、当社のPDPSを用いて、成長因子と同等の機能を有する代替ペプチドを見つけ出し、化学合成による新規製造手法を開発することで解決できると考えています。ペプチグロース株式会社(PeptiGrowth Inc.)は4月1日に設立予定ですが、2年程度をめどにまずは研究用途向けの成長因子代替ペプチド製品の発売を目指しています。
私は以前、iPS細胞を医療へ応用することを目指したバイオベンチャーにいたことがあり、素晴らしい基礎技術がありながらも実用化が進まない再生医療の現状をくやしい思いでみていました。今回の試みは、再生医療業界には希望の光になるのではと思っています。成長因子事業については今後順次報告していきます。楽しみにしてください。