2022年12月30日金曜日

2022年を振り返って

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。今年もブログを読んでくださり、ありがとうございました。今年はPDRファーマが3月よりペプチドリームグループに加わり、大きな変化があった1年間でした。

2022年、特に皆さまからの関心が高かったのは以下のトピックです。

今期売上見通しについて8/10

→8月に発表した今期売上見通しについて2Q決算説明会で行った説明の補足です。契約交渉中のPDC案件を今期の下期に締結予定とお伝えさせていただきました。こちらについては、今月MerckEli Lillyとの提携を発表させていただきました。

連結業績の利益予測についての補足6/2

1Q決算の発表時に、今期の業績予想を連結決算に変更させていただいたので、その内容について補足させていただいています。業績予想については3Qの決算発表の際にアップデートしています。

長期の売上計画について3/10

2021年の通期決算の説明会にて、PDRファーマと一緒になってから今後の長期的な売上高の見通しについて説明させていただき、その内容を紹介させていただきました。

PA-001の臨床研究の結果と今後の開発計画について8/16

PA-001の臨床研究が8/10に終了し、良好な結果が確認できたことをご説明させていただきました。

2026年までの研究開発の見通しについて3/4

2021/9に新棟建設のお知らせをさせていただきましたが、それを踏まえた今後の研究開発の進捗の見通しをご説明させていただきました。なお、新棟建設については放射性医薬品事業の機能強化のために活用することも含め、設計の見直しを進めており、当初発表した建設計画から変更されています。今後の建設計画については詳細が決定次第お知らせさせていただきます。

今年はPDRファーマがペプチドリームグループに加わり、両社でどのようなシナジーをだしていくのか、具体的な方向性もお示しさせていただきました。

RayzeBioとの提携拡大について8/26

PDRファーマとEli Lilly社が提携しました11/24


高い関心が寄せられているPDCをはじめ、来年も研究開発を推進していき、また進捗をご報告したいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

今月羽賀選手が社内のタウンホールミーティングに参加してくださいました。10月にデンマークで行われた世界選手権で日本チームは銅メダルに輝きました。羽賀選手は最後のウイニングボールを取ることができたそうです。9月にご結婚されたお話もお聞きしました。




2022年12月26日月曜日

Eli Lilly社とPDCに関する提携を行いました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/26Eli Lilly社とPDCに関する共同研究およびライセンス契約を締結しました(リンク)。本件も8月時点で仕掛中の案件としており、契約交渉を続けていたものになります。

今回の共同研究では、ペプチドリームがPDPSを用いたキャリアーペプチドの同定・創製・最適化を実施し、Eli Lilly社がペイロードの創製・最適化を実施します。この共同研究から産み出されたPDC製品の開発はEli Lilly社が実施します。

Eli Lilly社とは2013/12に創薬共同研究開発契約を締結し、Eli Lilly社が開発を目指すターゲットに対するペプチド医薬品の開発を共同で行っています。また、2016/3にはPDPSの非独占的技術ライセンスも実施しました。

今般、Merck社に続き、Eli Lilly社ともPDCに関する契約を締結することができました。PDC領域は近年製薬企業から高い関心を頂いており、2019年以降PDCに関する創薬共同研究開発が増えています。これらのパートナーとのPDCプログラムに関して、2023年に開発候補化合物の選定を目標にしているものも出てきています。

PDCプログラムの今後の進捗を楽しみにしています。

PDRファーマがペルセウスプロテオミクスと覚書の締結を行いました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/26PDRファーマとペルセウスプロテオミクスがPPMX-T002の導出活動に関する覚書を締結しました(リンク)。

PPMX-T002はカドヘリン3を標的とする抗体にイットリウム(90Y)を結合した放射性医薬品です。2011/1にペルセウスプロテオミクスと富士フイルム富山化学が富士フイルムにライセンスし、富士フイルムがFF-21101として臨床試験を実施していました。その後、2022/3/25に実施許諾契約が解約され、富士フイルムによる臨床開発は終了されました(リンク)。なお、2022/3/28に富士フイルム富山化学の放射性医薬品事業はPDRファーマに承継されました。

今般の取り決めにより、今後、PPMX-T002の開発・導出活動はペルセウスプロテオミクスが主導して進めていきます。ペルセウスプロテオミクスでは、PPMX-T002の使用核種を90Yより有効性が高いと考えられるルテチウム(177Lu)やα線核種であるアクチニウム(225Ac)などに変更することも視野に入れているということです。


PDRファーマのパイプライン

R&D説明会資料より)

2022年12月22日木曜日

Merck社と細胞傷害性PDCに関する提携を行いました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/22に米Merck社とcytotoxic-PDCに関する共同研究開発およびライセンス契約を締結しました(リンク

本件は今期の業績予想に既に織り込まれており、以前ご説明した見通しの中で「その他PDC」領域の仕掛中の案件として今期の締結を計画していたものになります。

ご参考:今期売上見通しについて

Cytotoxic-PDCとはペプチドと細胞傷害性の化合物を結合させた複合体で、Cytotoxicペイロードをターゲット細胞・組織のみへ高選択的に送達することによって安全性・有効性の高い抗がん治療を行うことを目指しています。

 

     (R&D説明会資料より)


Merck社とは2015/4に創薬共同研究開発契約を締結し、複数のターゲットに対するペプチド医薬品の開発を共同で行っています。また、2018/6にはPDPSの非独占的技術ライセンスも実施しました。PDPSの技術ライセンスはPDCはカーブアウト、すなわち対象外となっており、パートナーがPDC医薬品を開発する場合はペプチドリームと別途創薬共同研究開発契約を締結する必要があります。

このように長年にわたりペプチド創薬を協働してきたMerckのチームと今般cytotoxic-PDCの領域でも共同研究開発を進められるということで、今後の進展が非常に楽しみです。

2022年12月20日火曜日

R&D説明会のQ&Aを掲載しました

 みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
2022/12/15に開催したR&D説明会のQ&Aを掲載させていただきました(リンク)。
プログラムの進捗やPDPS技術・PDC技術など、様々な観点からのご質問を頂きました。
ぜひご覧ください。

2022年12月15日木曜日

R&D Dayを開催しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/15R&D説明会を開催しました。

資料リンク

音声リンク

2022/8に開催した2022Q2決算説明会からの主なアップデートとしては以下の通りです。

    核酸―PDC医薬品/武田:2023年に臨床候補化合物の選定目標

武田薬品との共同研究プログラムがリード-GLPステージに上がり、来年さらにGLP-INDステージへのステージアップを目指します

    KIT選択的阻害剤/Modulus2023年初頭での導出を目指す

現在、精力的な交渉を行っています

また、今月RayzeBio社との1つめの開発候補化合物の選定についてプレスリリースをさせていただきましたが(リンク)、こちらはGLP-INDステージにアップし、IND準備試験開始を目指します。

プログラム

パートナー

期待されるカタリスト

ペプチド医薬品・低分子医薬品

次世代PD-L1阻害剤

BMS

Phase 1 試験結果

AZP-3813

Amolyt

2023年上期のPhase 1 試験開始

PA-001

PeptiAID

開発計画・導出の発表

Myostatin 阻害剤

In-house

開発候補化合物の選定

KIT 選択的阻害剤

Modulus

2023年初頭での導出

PDC医薬品

RI-PDC

RayzeBio

開発候補化合物(202212月発表)IND準備試験開始

RI-PDC

Novartis

開発候補化合物の選定

RI-PDC

In-house

開発候補化合物の選定

核酸-PDC

Takeda

開発候補化合物の選定

MPC医薬品

BHV-1100

Biohaven

Phase 1a/1b 試験結果

新規提携・導出

複数の新規提携・導出を協議中

PDRファーマ

今回は昨年に続き2回目の開催でした。昨年は初回であったため一つ一つのプログラムの説明を行うことをメインにさせて頂きましたが、今年はPDCMPCに関するより技術的な説明やデータの紹介をさせていただきました。

個別のトピックに関してもまた別途ブログで取り上げさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

2022年12月12日月曜日

H.U.グループのTechnology Day 2022でペプチドリームが紹介されました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/9に実施されたH.U.グループのTechnology Day 2022でペプチドリームのPDPS技術が紹介されました(リンク)。

H.U.グループホールディングスの連結子会社であり、IVD(※1)領域のリーディングカンパニーである富士レビオ・ホールディングスに対してペプチドリームは2022/9/29PDPS自動化プラットフォームの非独占的ライセンスを実施しました。

1In vitro diagnostics、体外診断薬

H.U.グループでは、IVDグローバル戦略においてコンテンツの開発・製品化を行うためのR&D投資を行っており、抗体ベース技術の補完としてペプチドリームのPDPS技術を活用しようと考えています。抗体の取得が困難な部位に結合するペプチドを取得することで新規バイオマーカー項目の実用化につなげ、短期間での開発や原料の原価低減など様々な効果を期待しているとのことです。

PDPSの技術ライセンスはこれまで富士レビオ・ホールディングスなど11社に対して実施しました。この圧倒的な実績はペプチドリームのペプチド技術への高い信頼性を示すものです。技術を移管することにより、ライセンス先でのPDPSに関する体制が強化される結果、PDPSが特殊環状ペプチドに関するグローバルスタンダードになっています。

ライセンス先の進捗にペプチドリームとしても高い期待を寄せています。

こちらもご覧ください

富士レビオHDと技術ライセンスの契約を締結しました

2022年12月9日金曜日

ペプチグロースからPG-005とPG-006の販売を開始しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/8にペプチドリームの関連会社であるペプチグロースが新たなPGペプチドを2製品同時に販売開始しました(リンク)。

今回販売を開始したのはBMP7の選択的阻害ペプチドであるPG-005と、BMP4の選択的阻害ペプチドであるPG-006です。これでBMPファミリー関連のPGペプチドは3製品となりました。 

製品名

販売開始時期

機能

PG-004

2022/6

Noggin-like peptide
広範なBMPファミリーに対して結合・阻害
BMP4BMP7を選択的に阻害することはできない

PG-005

2022/12

BMP7ファミリーを選択的に阻害

PG-006

2022/12

BMP4ファミリーを選択的に阻害

このように高い選択性をもつペプチドをシリーズで揃えることにより、それぞれのBMPがどのような役割を果たしているのか、目的に対してどのシグナルを調整していけばいいのか等の情報を詳細に得ることができます。

これらの知見を得ることで、新たな細胞分化経路の構築につなげていけるのではないかと期待しています。

ペプチグロースでは、数十種類の成長因子・サイトカインをターゲットに、さらにPGペプチドの開発を進めていきます。

話題は変わりますが、来週2022/12/15にR&D説明会を開催いたします。昨年同様資料をウェブサイトに掲載させていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

こちらもご覧ください

ぺプチグロース、HGF代替ペプチド (PG-001)販売開始

ペプチグロースからPG-002販売開始

ペプチグロースで「BDNF代替ペプチド(PG-003)」の販売を開始します

ペプチグロースからPG-004販売開始

2022年12月8日木曜日

竹中ライフイノベーションセミナーで副社長の舛屋が講演させていただきました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/11/9に株式会社竹中工務店様主催で開催された竹中ライフイノベーションセミナーにペプチドリームの舛屋が参加させていただきました。

これは、食の領域での新たな取り組みを紹介するもので、竹中工務店様、Food Up Island様とともに合同で企画させていただいたものです。

Food Up Islandは、食品メーカーの研究員が中心となって集まる“食の共創コミュニティ”で、企業や業界の枠を超えもっと豊かで楽しい「食」を一緒に創っていくことを目的に活動をされています(リンク)。

Food Up Islandの金丸様、竹中工務店の日高様がそれぞれ食分野での取り組みをご紹介され、舛屋も自身のキャリアやペプチグロースの培養肉分野への応用可能性などをお話させていただきました。

その後のトークセッションで来場された方からのご質問をお受けしたのですが、食に関連する内容にとどまらず、グローバル製薬企業での経験をふまえた日本と海外の組織の違いや、ペプチドリームの中でどのような意思決定プロセスを取っているのか、など人材や組織に関連するご質問を多く頂きました。

その中で舛屋がお話させていただいたのが、フラットな組織を心掛け多くの社員と直接話をするようにしていること、例えば研究など特定の分野に突出している人材が活躍でき評価される組織にすること、などです。

ペプチドリームは従業員が約200人、研究開発がメインの事業であることから、イノベーションが産まれる環境を作り出すというのが非常に重要となります。組織という面からも、マネジメントの個性が反映された独自性の高い会社になっているのではないかと思います。

写真向かって左 ペプチドリーム 舛屋、右 Food Up Island発案者であるSEE THE SUN 金丸CEO




2022年12月5日月曜日

RayzeBio社との戦略的提携プログラムから一つ目の放射性治療薬開発候補化合物を選定しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/5RayzeBio社との戦略的提携プログラムから一つ目の放射性治療薬開発候補化合物を選定したことを発表しました(リンク)。

RayzeBio社とは2020/8に複数のRI-PDCプログラムについて戦略的提携を開始しました。ペプチドリーム主導で固形がんに発現するがん抗原を認識する新規の特殊環状ペプチドをPDPSにより創出し、それらのペプチドを用いたRI-PDCの開発・商業化をRazeBio社が行うというものです。

なお、2022/8に発表した通り、日本での開発・商業化についてはペプチドリームがオプション権を持っています(リンク)。

PDPSを用いたRI-PDC治療薬の創製というコンセプトに対して、今回このように具体的な進捗をお知らせできました。

戦略的提携の開始から約2年半という短期間でここまで達成できており、次はRI-PDC治療薬の臨床入りを目指していきたいと思います。

 

こちらもご覧ください:

2020/8/17 RayzeBio社とのペプチド放射性医薬品に関する戦略的共同研究開発

2022/8/26  RayzeBio社との提携拡大について


2022年12月2日金曜日

ペプチグロース 杉本社長のインタビューがLINK-Jのサイトで公開されました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/1にペプチグロース 杉本社長のインタビューがLINK-Jのサイトで公開されました(リンク)。

今年の8月よりペプチグロースの本社はLINK-Jのインキュベーションオフィスに移り、現状PG-001PG-0044製品を販売しています。学会や展示会のリアル開催が再開される中、精力的なマーケティング活動を行っています。

インタビューの中で杉本社長が、今後の方向として「三次元拡張」―地域の拡大だけではなく、様々な軸での拡大を行っていくということをお話されています。残りの軸が何を指しているのか、ぜひ記事をご覧いただけたらと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。