2022年8月16日火曜日

PA-001の臨床研究の結果と今後の開発計画について

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
決算説明会で、新型コロナウイルス感染症治療薬として開発を行っているPA-001の進捗をご説明させていただきました。

PA-001はペプチドリームの関連会社であるペプチエイドで開発されており、2022/2より臨床研究を実施していました(リンク)。
2022/6に被験者への投与を終了し、2022/8/10に最終レポートが発行されました。

この臨床研究にて健常男性を対象に安全性と薬物動態を検討し、

    安全性について:安全性の懸念・副作用が無く完了
    薬物動態:投与量に応じて血中濃度が高くなるという、極めて高い線形性・用量依存性を確認

という良好な結果が取得できました。

これらは、薬の性質として最重要のファクターであり、今回良好な結果が得られたことは今後開発を進めていく上での大きな一歩となりました。
次は、PA-001の患者さんでの薬効を確認するというのを大きな目標として、米国でのフェーズ1/2a試験を計画しています。米国での開発を考えているのは、

・患者さんを確保しやすい
・提携活動にとっても米国でのデータが有用

という理由です。

以前、PA-001について2022年中に実用化できる可能性があるというご説明をしていました。
その際は緊急承認という枠組みでの可能性を想定していましたが、現状を考えると着実に臨床試験でデータを取得し、薬効を確認していくということを考えています。

計画では、2023年のフェーズ1/2a試験開始を予定しています。
今般実施した臨床研究のデータを活用することでフェーズ1試験を短縮できると考えています。

また、以前からお伝えしていた通り、PA-001がターゲットとしているコロナウイルスのスパイクタンパクS2領域は変異があまり起きていない領域であるため、変異株に対しても効果が変わらないという大きな優位点があります。
細胞を用いた最新のデータではBA.5系統に対しても活性を確認しました。
BA.2.75系統にも効果を持つ可能性が高いと考えています。

また、経口薬の開発についても継続していています。現状走っている注射剤での患者さんでの薬効(=PoC)確認に最も優先度を高く置いているのですが、注射剤での臨床試験が走っている横で同時に経口剤の開発も走らせるというのが理想的だと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

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