2020年12月31日木曜日

よいお年を!

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。30日(水)は大納会、2020年の取引が終了しました。31日の日本経済新聞朝刊によると、日経平均株価は昨年末比で16%上昇、年末終値としては31年ぶりの高水準となったそうです。

一方で、当社の2019年の年間株価については、初値が5,500円、高値は5,760円、安値が3,165円、終値は5,240円となり、終値は昨年末(5,600円)比で6.4%の下落となりました。5年連続で2ケタ上昇を続けてきましたが、更新できませんでした。また、私がIR広報の担当者になってからは毎年、上場来高値(株式分割調整後)を更新していましたが、その記録もストップしてしまいました。とても残念であり、悔しく思っています。

私のペプチドリームに対する期待値、ワクワク感は、2017年6月の入社時よりも現在の方がはるかに上回っています。新型コロナウイルスの出現は世界中の企業に多大な影響を与えました。こういう時こそ、真なる実力が明らかになると思っています。当社はコロナ禍において、武田薬品や大鵬薬品、RayzeBio(レイズバイオ)との新規契約、PeptiAID(ペプチエイド)やPeptiGrowth(ペプチグロース)の設立などを実施しました。その将来性をうまく伝えきれていないことは私の反省材料ですが、数年後にペプチドリームにとって2020年は大いなる転換点だったと思っていただけると確信しています。私はこれまでで一番当社の将来に自信をもって新たな年を迎えます。

みなさま、今年もIR広報ブログを読んでいただき、ありがとうございました。今年は複数の方から「ブログの更新スピードが落ちてます、楽しみにしているし励みになっているので更新回数を増やしてください」とのお叱り兼激励をいただきました。感謝しております。

よいお年をお迎えください。来年もどうかよろしくお願いいたします。

2020年12月30日水曜日

羽田連絡道路の工事の進捗

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。私の席は本社・研究所の5階にあり、そこからは川崎市殿町と羽田空港を結ぶ新しい道路(羽田連絡道路)の建設がよく見えます。道路の全長は約870メートルですが、そのうちの約600メートルが橋であり、両岸から開始された橋げたの工事の進捗を確認するのが私の日課のひとつとなっています。8時から工事関係者のみなさまがラジオ体操をされており、その音楽に合わせて私もたまに参加しています。

今月に入り、写真のようにとりあえず両岸がつながり、思わず拍手してしまいました。橋げたがつながるのが来年春頃、道路の完成は2022年3月末までと予定されているようです。道路の完成後は当社から歩いて15分程度で羽田空港に行けると予想され、少しでも早い完成を待ち望んでおります。工事関係者のみなさま、来年もよろしくお願いします。

変異種の出現

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。日本でも感染力が強いとされる新型コロナウイルス変異株が検出されたと発表されました。今回は静かな年末年始を過ごすしかないですね。私は感染対策として一足早い「初詣」に行ってきました。ペプチドリームが開発を進めている新型コロナウイルス治療薬は、変異株(変異種)についても使用できる、いわゆるユニバーサル治療薬の研究開発を進めています。これが開発でき、世界の救世主になれるようお祈りしてきました。

2020年12月23日水曜日

ヤンセンファーマ社に対するPDPSの技術ライセンス契約を締結

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社は23日の8時30分に「ヤンセンファーマ社に対するPDPSの非独占的ライセンス許諾契約締結のお知らせ」を発表しました。

ヤンセンファーマ社とは2017年4月に創薬共同研究開発契約を締結しています。2つのプログラムにおいてヒットペプチドとして設定していたクライテリアを達成するなど成果があがっており、今回のPDPSの技術ライセンス契約となりました(金額は非開示です)。ヤンセンファーマは今後、創薬ターゲットの制約なく、自由にPDPSを用いた創薬開発を行うことができます。

当社は、当社独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPSを用いた創薬が世界中に拡がることを戦略的な目標の1つとしていますが、PDPSの技術ライセンス先は今回の契約で9社目となりました。世界最大級のヘルスケアカンパニーであるJohnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)傘下の医薬品企業への技術ライセンスは大いなる前進といえ、当社にとっては一日早いビッグなクリスマスプレゼントとなりました。 

2020年12月22日火曜日

武田薬品と神経筋疾患領域におけるPDC医薬品の創製に関して包括的な新規契約を締結しました

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社は22日に「武田薬品工業とのPDCに関する共同研究および独占的ライセンス契約締結のお知らせ」を発表しました。本契約に伴い、当社は契約一時金を受領します(金額は非開示、2020年12月期第4四半期の売上高に計上されます)。

武田薬品工業の米国子会社である武田ファーマシューティカルズUSA Inc.(以下 武田薬品)との間で、神経筋疾患領域における複数の「ペプチド薬物複合体(PDC)」創製に関する包括的な共同研究および独占的ライセンス契約を締結しました。

神経筋疾患(NMD:Neuromuscular Disease)とは、脳・脊髄・末梢神経などの筋肉を制御する神経の異常または筋肉自体の異常によって運動機能に障害をきたす病気の総称です。代表的な疾患として筋萎縮性側索硬化症(ALS)などがありますが、効果的な治療薬がほとんどないアンメットメディカルニーズの大きな疾患が多く存在している領域です。有効な治療薬の開発が難しい要因は、全身に広く存在する標的組織に治療薬を届けることが難しいことがあげられます。この課題に対して、筋肉にトランスフェリン受容体が高発現していることを利用し当社がJCRファーマと共同で開発したトランスフェリン受容体結合ペプチドを筋肉に薬剤を輸送するキャリア(運び屋)ペプチドとし、武田薬品が選択した医薬品候補化合物を結合させたPDC医薬品を創製することで解決することを目指します。

日本のトップ製薬企業と特殊環状ペプチドを用いた創薬で世界のリーディングカンパニーである当社が組んで、有効な治療薬がなくて世界的に困っている疾患領域に、革新的な治療薬の開発を目指して共同研究をスタートさせるのです。ワクワクしませんか。

武田薬品が研究開発における4つの重点疾患として掲げているものの1つがニューロサイエンスであり、PDCを用いた創薬に本格的に取り組んでいただけると考えています。

私は2017年6月にペプチドリームのIR広報責任者として入社し、個人投資家向け会社説明会を40回以上行ってきました。よく出る質問が「そんなにいいものなら、なぜタケダと契約できてないのか」というものでした。そういった意味で武田薬品との契約はとてもうれしいし、感慨深いものがあります。今後の進捗を楽しみにしたいと思います。

2020年12月17日木曜日

キングスカイフロント周辺清掃活動に参加

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社は地域コミュニティとのつながりを大切に、地元のイベントに積極的に参加しています。当社が本社・研究所を置く川崎市殿町地区は国家戦略特区に指定され、キングスカイフロントと呼ばれています。この地区に拠点を置いている企業や機関は意識が高く、気持ちよく働ける環境づくりに積極的に取り組んでいます。

12月17日の9時30分から「キングスカイフロント周辺清掃」にと名付けられた地域イベントが開催され、ポイ捨てごみの清掃活動を行いました。今回の参加者は約180名だそうです。当社からは私を含め4名が参加しました。天候にも恵まれ、道路や公園がきれいになり、すがすがしい気持ちになりました。


大鵬薬品と新規契約を締結しました

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社は17日の8時30分に「大鵬薬品とのPDPS自動化プラットフォームの運用に関する非独占的ライセンス許諾契約締結のお知らせ」を発表しました。本契約に伴い、当社は技術ライセンス料(契約一時金)を受領します(金額は非開示、2020年12月期第4四半期の売上高に計上されます)。

PDPS自動化プラットフォームとは、これまで手作業で行っていたペプチドリーム独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPSによる医薬品候補化合物のもとになる化合物ペプチドの探索(スクリーニング)を自動化したもので、自動分注機では世界トップシェアのTecan(テカン)社と共同開発を行い、Tecan社のラボオートメーションに搭載し、標的分子(ターゲットタンパク質)をセットするだけでスクリーニングが自動で行われる自動化装置として仕上げました。

今年に入り実際に同装置を当社の研究所で使用して完成度を高めました。技術の完成度が高まった今年の夏ごろからいくつかの製薬企業に技術紹介を開始しました。複数の企業が関心を示していただいており、今回の大鵬薬品との契約が第一弾となります。

当社の新たな創薬パートナー企業となりました大鵬薬品は、大塚ホールディングス株式会社の事業会社で「私たちは人びとの健康を高め 満ち足りた笑顔あふれる 社会づくりに貢献します。」を企業理念とし、「がん」「免疫・アレルギー」「泌尿器」の3領域に特化した研究開発型スペシャリティファーマです。特にがん領域においては、国内におけるリーディングカンパニーの一つとして知られており、グローバル化も積極的に推進されております。

今回のニュースリリースの中で、大鵬薬品の常務取締役 宇津木照洋氏から「PDPSは、特殊ペプチドを含む圧倒的な化合物多様性と洗練された自動スクリーニングシステムにより、これまで創薬が困難とされた治療標的に対する創薬の可能性を広げるものと考えております」とのコメントをいただいております。

当社はPDPS自動化プラットフォームの運用によりPDPSを用いた創薬の入り口を広げる新たな取り組みを開始しました。今回の契約により、大鵬薬品の創薬研究が大きく加速し、新しい治療薬の開発に貢献するようにPDPS試薬の供給のみならず、広範な範囲で大鵬薬品のPDPS運営をサポートしてまいります。私は横綱級の新薬が出てくることを期待しています。

2020年12月16日水曜日

新型コロナ治療薬の取り組みが日本経済新聞で紹介されました

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。12月16日の日本経済新聞の朝刊に「コロナ新薬 日本勢も着々」の見出しで、紙面の半分を使って、日本企業の新型コロナウイルス治療薬開発の取り組みが紹介されています(12版では15ページ目に掲載)。

この記事を書いた記者から私のところに数日前に電話取材の依頼があり、20分程度説明をしました。通常は20分説明しても採用されて記事になるのは2~3行なのですが、今回は合計すると30行を我々の取り組みの紹介に割いてくれてました。

2020年12月10日木曜日

キュライオ社との戦略的パートナーシップに関する覚書締結を発表

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社は12月10日に「クライオ電子顕微鏡を用いた独自の構造解析技術を有するキュライオ社との戦略的パートナーシップに関する覚書締結のお知らせ」を発表しました。

当社のPDPSを用いた創薬は、1兆種類以上の特殊ペプチドからなる化合物ライブラリーを作成し、その中から病気の原因となる標的分子(ターゲットタンパク質)と強く結合するものを短期間で選び出すことから始まります。その後に“構造解析”を実施し、得られた情報をもとに特殊ペプチドを薬剤候補化合物へと仕上げていく、最適化作業を行います。

構造解析とは、選び出した特殊ペプチドが、標的タンパク質のどこに、どのように結合しているのかを画像等のデータをもとに立体構造の情報として解析することです。当社が目指している、より効果が高く、副作用の少ない医薬品の開発にはこの構造解析が重要な役割を担っているといえます。

現在の構造解析の主流は、標的タンパク質の調整や結晶化を経たX線構造解析です。当社にはその領域のスペシャリストからなるチームが存在し、毎年優秀な人材が加わり、高いレベルの仕事を行っております(最近の当社の創薬力アップへの貢献は大です)。ただし、X線構造解析は解像度も高く優れた解析方法なのですが結晶化が必要という制約がありました。

今回、戦略的パートナーシップに関する覚書を締結したキュライオ社は、クライオ電子顕微鏡を用いることで、結晶化が困難であったタンパク質(膜タンパク質や複雑なタンパク質複合体など)についても構造解析を可能とする技術を有しています。すでに当社も実際に使用した実績があり、今回の戦略的パートナーシップで両社のプラットフォーム技術を組み合わせることで、当社の創薬研究の範囲がこれまで以上に拡がり、薬剤候補化合物に仕上げるまでの期間短縮につながるのではないかと期待しています。

戦略的パートナー・RayzeBio社が約110億円の資金調達

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社が2020年8月にペプチド放射性医薬品の創製に関する戦略的共同研究開発契約を締結したRayzeBio Inc(レイズバイオ社)が今年2度目の資金調達に成功したことを発表しました。

1回目(シリーズA)は、10月14日(現地時間)に4,500万米ドル(約47億円)、そして2回目(シリーズB)は12月8日(現地時間)に1億500万米ドル(約110億円)の資金調達を行いました。合計で1億5,000万米ドルとなります。コロナ禍でファイナンス環境が良くない中、同社のビジネスモデルと技術力が高い評価を得ているようです。

2020年12月9日水曜日

クリスマスツリー

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。お昼時を利用して、みんなで本社・研究所の入り口にクリスマスツリーの飾りつけを行いました。

いろんなことを経験した一年でしたが、いいクリスマスを迎えるよう社員一同がんばってます。


2020年12月8日火曜日

仏アモライト社との戦略的共同研究開発およびライセンスオプション契約締結を発表

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社は12月8日に「仏Amolyt社との戦略的共同研究開発およびライセンスオプション契約締結のお知らせ」を発表しました。

当社が見出した成長ホルモン受容体拮抗薬候補ペプチド化合物について、フランスのAmolyt Pharma(以下 アモライト社)と、先端巨大症を適応症とする新しい治療薬の開発を目的とした、最適化に関する戦略的共同研究開発を開始します。

最適化したペプチド化合物について、アモライト社が臨床候補化合物と評価し、導入を選択した場合は、当社はアモライト社からライセンスオプション行使フィーを受領します。また、その後の開発が順調に進捗した場合は、その進捗に応じてマイルストーンフィーを受領することになります。

先端巨大症は、脳の奥の脳下垂体と呼ばれる小さな器官にできる良性の腫瘍が成長ホルモンを過剰分泌することが原因となり、手足やあごの肥大という症状が現れ、適切な治療を施さなければ重度の合併症を引き起こします(推定患者数は、米国が約2万6千人、欧州が約3万5千人、日本は約1万人)。

アモライト社は、希少な内分泌および代謝性疾患の治療用ペプチドの開発を専門としたグローバル企業であり、同社の開発パイプラインのうち、副甲状腺機能低下症の治療用ペプチド「AZP-3601」は2020年9月に第1相臨床試験入りしています。私は2021年12月期中の導出(ライセンスアウト)の可能性もあると予想しており、今後の進捗を見守りたいと思います。 

2020年12月4日金曜日

非天然型(特殊)アミノ酸の販売

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。試薬事業で実績のあるキシダ化学株式会社が、当社の保有する非天然型アミノ酸を一般試薬として販売することになり、11月30日に販売を開始しました。

非天然型アミノ酸とは何かを簡単に説明します。人間は20種類のアミノ酸を用いて、人体の組織や機能に必要なペプチドおよびタンパク質を作成しています。人間の体を構成するビルディングブロックといえる、これら20種類のアミノ酸は天然アミノ酸と呼ばれています。しかし、自然界にはこの20種類以外のアミノ酸が存在し、人間が人工的に作成したものを含めると1,000種類を超えるアミノ酸が存在しているといわれており、これらは「非天然型アミノ酸(特殊アミノ酸)」と呼ばれています。

当社が創薬に用いている特殊ペプチドは、天然アミノ酸と非天然型アミノ酸を自在に結合させ、環状にしたものです。当社が特殊ペプチドを用いた医薬品の領域で世界をリードしている要因の1つが、医薬品の研究開発のおいて有用な非天然型アミノ酸についても研究開発を精力的に行っていることがあげられます。活性の向上、体内動態や物性を改善するにはどの非天然型アミノ酸を使えばいいのか等のノウハウの蓄積が創薬力につながっていえ、独自の非天然型アミノ酸の開発にも成功しています。

今回、キシダ化学株式会社を通じて、当社が研究開発の現場で実際に使用している非天然型アミノ酸を販売します。まずは10品目の販売ですが、販売品目は順次拡充するそうです。私は、当社の高品質の非天然型アミノ酸が広く使用可能になることで特殊ペプチドの研究開発のすそ野が拡がると予想しています。また、非天然型アミノ酸は医薬品の研究開発以外の領域でも使用されていますので、それらの領域でも品質の改善に貢献するのではと考えています。

2020年12月2日水曜日

ぺプチスターに新たに5社が加わりました

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社出資会社のぺプチスター株式会社(以下 ぺプチスター)が、12月1日に「第三者割当増資を実施し、17.9億円を調達しました」と発表しています。

同社のホームページのトップページ(NEWSの欄)に掲載されているプレスリリースを見ますと、旭化成株式会社、株式会社神鋼環境ソリューション、株式会社ダイセル、横河電機株式会社、株式会社ワイエムシィの5社が新たに株主として加わり、総額17.9億円の資金調達を行っています。

ぺプチスターは、日本国内に点在する各種最先端技術を戦略的に集約することでペプチド医薬品原薬の安定的な供給体制を確立するスキームで設立されました。新たに5社が資金と共に、ペプチドに関するフロー合成や精製・濃縮・固体化技術等の最先端技術を提供することでペプチド製造の全工程で製造技術の革新がさらに進むことが予想されます。

私が新たな出資各社のHPをチェックしたところ、ダイセルと横河電機はプレスリリースが出されています。技術面での説明と共にペプチド医薬品への期待も記載されています。