みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。試薬事業で実績のあるキシダ化学株式会社が、当社の保有する非天然型アミノ酸を一般試薬として販売することになり、11月30日に販売を開始しました。
非天然型アミノ酸とは何かを簡単に説明します。人間は20種類のアミノ酸を用いて、人体の組織や機能に必要なペプチドおよびタンパク質を作成しています。人間の体を構成するビルディングブロックといえる、これら20種類のアミノ酸は天然アミノ酸と呼ばれています。しかし、自然界にはこの20種類以外のアミノ酸が存在し、人間が人工的に作成したものを含めると1,000種類を超えるアミノ酸が存在しているといわれており、これらは「非天然型アミノ酸(特殊アミノ酸)」と呼ばれています。
当社が創薬に用いている特殊ペプチドは、天然アミノ酸と非天然型アミノ酸を自在に結合させ、環状にしたものです。当社が特殊ペプチドを用いた医薬品の領域で世界をリードしている要因の1つが、医薬品の研究開発のおいて有用な非天然型アミノ酸についても研究開発を精力的に行っていることがあげられます。活性の向上、体内動態や物性を改善するにはどの非天然型アミノ酸を使えばいいのか等のノウハウの蓄積が創薬力につながっていえ、独自の非天然型アミノ酸の開発にも成功しています。
今回、キシダ化学株式会社を通じて、当社が研究開発の現場で実際に使用している非天然型アミノ酸を販売します。まずは10品目の販売ですが、販売品目は順次拡充するそうです。私は、当社の高品質の非天然型アミノ酸が広く使用可能になることで特殊ペプチドの研究開発のすそ野が拡がると予想しています。また、非天然型アミノ酸は医薬品の研究開発以外の領域でも使用されていますので、それらの領域でも品質の改善に貢献するのではと考えています。