2020年12月22日火曜日

武田薬品と神経筋疾患領域におけるPDC医薬品の創製に関して包括的な新規契約を締結しました

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社は22日に「武田薬品工業とのPDCに関する共同研究および独占的ライセンス契約締結のお知らせ」を発表しました。本契約に伴い、当社は契約一時金を受領します(金額は非開示、2020年12月期第4四半期の売上高に計上されます)。

武田薬品工業の米国子会社である武田ファーマシューティカルズUSA Inc.(以下 武田薬品)との間で、神経筋疾患領域における複数の「ペプチド薬物複合体(PDC)」創製に関する包括的な共同研究および独占的ライセンス契約を締結しました。

神経筋疾患(NMD:Neuromuscular Disease)とは、脳・脊髄・末梢神経などの筋肉を制御する神経の異常または筋肉自体の異常によって運動機能に障害をきたす病気の総称です。代表的な疾患として筋萎縮性側索硬化症(ALS)などがありますが、効果的な治療薬がほとんどないアンメットメディカルニーズの大きな疾患が多く存在している領域です。有効な治療薬の開発が難しい要因は、全身に広く存在する標的組織に治療薬を届けることが難しいことがあげられます。この課題に対して、筋肉にトランスフェリン受容体が高発現していることを利用し当社がJCRファーマと共同で開発したトランスフェリン受容体結合ペプチドを筋肉に薬剤を輸送するキャリア(運び屋)ペプチドとし、武田薬品が選択した医薬品候補化合物を結合させたPDC医薬品を創製することで解決することを目指します。

日本のトップ製薬企業と特殊環状ペプチドを用いた創薬で世界のリーディングカンパニーである当社が組んで、有効な治療薬がなくて世界的に困っている疾患領域に、革新的な治療薬の開発を目指して共同研究をスタートさせるのです。ワクワクしませんか。

武田薬品が研究開発における4つの重点疾患として掲げているものの1つがニューロサイエンスであり、PDCを用いた創薬に本格的に取り組んでいただけると考えています。

私は2017年6月にペプチドリームのIR広報責任者として入社し、個人投資家向け会社説明会を40回以上行ってきました。よく出る質問が「そんなにいいものなら、なぜタケダと契約できてないのか」というものでした。そういった意味で武田薬品との契約はとてもうれしいし、感慨深いものがあります。今後の進捗を楽しみにしたいと思います。