2022年12月30日金曜日

2022年を振り返って

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。今年もブログを読んでくださり、ありがとうございました。今年はPDRファーマが3月よりペプチドリームグループに加わり、大きな変化があった1年間でした。

2022年、特に皆さまからの関心が高かったのは以下のトピックです。

今期売上見通しについて8/10

→8月に発表した今期売上見通しについて2Q決算説明会で行った説明の補足です。契約交渉中のPDC案件を今期の下期に締結予定とお伝えさせていただきました。こちらについては、今月MerckEli Lillyとの提携を発表させていただきました。

連結業績の利益予測についての補足6/2

1Q決算の発表時に、今期の業績予想を連結決算に変更させていただいたので、その内容について補足させていただいています。業績予想については3Qの決算発表の際にアップデートしています。

長期の売上計画について3/10

2021年の通期決算の説明会にて、PDRファーマと一緒になってから今後の長期的な売上高の見通しについて説明させていただき、その内容を紹介させていただきました。

PA-001の臨床研究の結果と今後の開発計画について8/16

PA-001の臨床研究が8/10に終了し、良好な結果が確認できたことをご説明させていただきました。

2026年までの研究開発の見通しについて3/4

2021/9に新棟建設のお知らせをさせていただきましたが、それを踏まえた今後の研究開発の進捗の見通しをご説明させていただきました。なお、新棟建設については放射性医薬品事業の機能強化のために活用することも含め、設計の見直しを進めており、当初発表した建設計画から変更されています。今後の建設計画については詳細が決定次第お知らせさせていただきます。

今年はPDRファーマがペプチドリームグループに加わり、両社でどのようなシナジーをだしていくのか、具体的な方向性もお示しさせていただきました。

RayzeBioとの提携拡大について8/26

PDRファーマとEli Lilly社が提携しました11/24


高い関心が寄せられているPDCをはじめ、来年も研究開発を推進していき、また進捗をご報告したいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

今月羽賀選手が社内のタウンホールミーティングに参加してくださいました。10月にデンマークで行われた世界選手権で日本チームは銅メダルに輝きました。羽賀選手は最後のウイニングボールを取ることができたそうです。9月にご結婚されたお話もお聞きしました。




2022年12月26日月曜日

Eli Lilly社とPDCに関する提携を行いました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/26Eli Lilly社とPDCに関する共同研究およびライセンス契約を締結しました(リンク)。本件も8月時点で仕掛中の案件としており、契約交渉を続けていたものになります。

今回の共同研究では、ペプチドリームがPDPSを用いたキャリアーペプチドの同定・創製・最適化を実施し、Eli Lilly社がペイロードの創製・最適化を実施します。この共同研究から産み出されたPDC製品の開発はEli Lilly社が実施します。

Eli Lilly社とは2013/12に創薬共同研究開発契約を締結し、Eli Lilly社が開発を目指すターゲットに対するペプチド医薬品の開発を共同で行っています。また、2016/3にはPDPSの非独占的技術ライセンスも実施しました。

今般、Merck社に続き、Eli Lilly社ともPDCに関する契約を締結することができました。PDC領域は近年製薬企業から高い関心を頂いており、2019年以降PDCに関する創薬共同研究開発が増えています。これらのパートナーとのPDCプログラムに関して、2023年に開発候補化合物の選定を目標にしているものも出てきています。

PDCプログラムの今後の進捗を楽しみにしています。

PDRファーマがペルセウスプロテオミクスと覚書の締結を行いました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/26PDRファーマとペルセウスプロテオミクスがPPMX-T002の導出活動に関する覚書を締結しました(リンク)。

PPMX-T002はカドヘリン3を標的とする抗体にイットリウム(90Y)を結合した放射性医薬品です。2011/1にペルセウスプロテオミクスと富士フイルム富山化学が富士フイルムにライセンスし、富士フイルムがFF-21101として臨床試験を実施していました。その後、2022/3/25に実施許諾契約が解約され、富士フイルムによる臨床開発は終了されました(リンク)。なお、2022/3/28に富士フイルム富山化学の放射性医薬品事業はPDRファーマに承継されました。

今般の取り決めにより、今後、PPMX-T002の開発・導出活動はペルセウスプロテオミクスが主導して進めていきます。ペルセウスプロテオミクスでは、PPMX-T002の使用核種を90Yより有効性が高いと考えられるルテチウム(177Lu)やα線核種であるアクチニウム(225Ac)などに変更することも視野に入れているということです。


PDRファーマのパイプライン

R&D説明会資料より)

2022年12月22日木曜日

Merck社と細胞傷害性PDCに関する提携を行いました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/22に米Merck社とcytotoxic-PDCに関する共同研究開発およびライセンス契約を締結しました(リンク

本件は今期の業績予想に既に織り込まれており、以前ご説明した見通しの中で「その他PDC」領域の仕掛中の案件として今期の締結を計画していたものになります。

ご参考:今期売上見通しについて

Cytotoxic-PDCとはペプチドと細胞傷害性の化合物を結合させた複合体で、Cytotoxicペイロードをターゲット細胞・組織のみへ高選択的に送達することによって安全性・有効性の高い抗がん治療を行うことを目指しています。

 

     (R&D説明会資料より)


Merck社とは2015/4に創薬共同研究開発契約を締結し、複数のターゲットに対するペプチド医薬品の開発を共同で行っています。また、2018/6にはPDPSの非独占的技術ライセンスも実施しました。PDPSの技術ライセンスはPDCはカーブアウト、すなわち対象外となっており、パートナーがPDC医薬品を開発する場合はペプチドリームと別途創薬共同研究開発契約を締結する必要があります。

このように長年にわたりペプチド創薬を協働してきたMerckのチームと今般cytotoxic-PDCの領域でも共同研究開発を進められるということで、今後の進展が非常に楽しみです。

2022年12月20日火曜日

R&D説明会のQ&Aを掲載しました

 みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
2022/12/15に開催したR&D説明会のQ&Aを掲載させていただきました(リンク)。
プログラムの進捗やPDPS技術・PDC技術など、様々な観点からのご質問を頂きました。
ぜひご覧ください。

2022年12月15日木曜日

R&D Dayを開催しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/15R&D説明会を開催しました。

資料リンク

音声リンク

2022/8に開催した2022Q2決算説明会からの主なアップデートとしては以下の通りです。

    核酸―PDC医薬品/武田:2023年に臨床候補化合物の選定目標

武田薬品との共同研究プログラムがリード-GLPステージに上がり、来年さらにGLP-INDステージへのステージアップを目指します

    KIT選択的阻害剤/Modulus2023年初頭での導出を目指す

現在、精力的な交渉を行っています

また、今月RayzeBio社との1つめの開発候補化合物の選定についてプレスリリースをさせていただきましたが(リンク)、こちらはGLP-INDステージにアップし、IND準備試験開始を目指します。

プログラム

パートナー

期待されるカタリスト

ペプチド医薬品・低分子医薬品

次世代PD-L1阻害剤

BMS

Phase 1 試験結果

AZP-3813

Amolyt

2023年上期のPhase 1 試験開始

PA-001

PeptiAID

開発計画・導出の発表

Myostatin 阻害剤

In-house

開発候補化合物の選定

KIT 選択的阻害剤

Modulus

2023年初頭での導出

PDC医薬品

RI-PDC

RayzeBio

開発候補化合物(202212月発表)IND準備試験開始

RI-PDC

Novartis

開発候補化合物の選定

RI-PDC

In-house

開発候補化合物の選定

核酸-PDC

Takeda

開発候補化合物の選定

MPC医薬品

BHV-1100

Biohaven

Phase 1a/1b 試験結果

新規提携・導出

複数の新規提携・導出を協議中

PDRファーマ

今回は昨年に続き2回目の開催でした。昨年は初回であったため一つ一つのプログラムの説明を行うことをメインにさせて頂きましたが、今年はPDCMPCに関するより技術的な説明やデータの紹介をさせていただきました。

個別のトピックに関してもまた別途ブログで取り上げさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

2022年12月12日月曜日

H.U.グループのTechnology Day 2022でペプチドリームが紹介されました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/9に実施されたH.U.グループのTechnology Day 2022でペプチドリームのPDPS技術が紹介されました(リンク)。

H.U.グループホールディングスの連結子会社であり、IVD(※1)領域のリーディングカンパニーである富士レビオ・ホールディングスに対してペプチドリームは2022/9/29PDPS自動化プラットフォームの非独占的ライセンスを実施しました。

1In vitro diagnostics、体外診断薬

H.U.グループでは、IVDグローバル戦略においてコンテンツの開発・製品化を行うためのR&D投資を行っており、抗体ベース技術の補完としてペプチドリームのPDPS技術を活用しようと考えています。抗体の取得が困難な部位に結合するペプチドを取得することで新規バイオマーカー項目の実用化につなげ、短期間での開発や原料の原価低減など様々な効果を期待しているとのことです。

PDPSの技術ライセンスはこれまで富士レビオ・ホールディングスなど11社に対して実施しました。この圧倒的な実績はペプチドリームのペプチド技術への高い信頼性を示すものです。技術を移管することにより、ライセンス先でのPDPSに関する体制が強化される結果、PDPSが特殊環状ペプチドに関するグローバルスタンダードになっています。

ライセンス先の進捗にペプチドリームとしても高い期待を寄せています。

こちらもご覧ください

富士レビオHDと技術ライセンスの契約を締結しました

2022年12月9日金曜日

ペプチグロースからPG-005とPG-006の販売を開始しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/8にペプチドリームの関連会社であるペプチグロースが新たなPGペプチドを2製品同時に販売開始しました(リンク)。

今回販売を開始したのはBMP7の選択的阻害ペプチドであるPG-005と、BMP4の選択的阻害ペプチドであるPG-006です。これでBMPファミリー関連のPGペプチドは3製品となりました。 

製品名

販売開始時期

機能

PG-004

2022/6

Noggin-like peptide
広範なBMPファミリーに対して結合・阻害
BMP4BMP7を選択的に阻害することはできない

PG-005

2022/12

BMP7ファミリーを選択的に阻害

PG-006

2022/12

BMP4ファミリーを選択的に阻害

このように高い選択性をもつペプチドをシリーズで揃えることにより、それぞれのBMPがどのような役割を果たしているのか、目的に対してどのシグナルを調整していけばいいのか等の情報を詳細に得ることができます。

これらの知見を得ることで、新たな細胞分化経路の構築につなげていけるのではないかと期待しています。

ペプチグロースでは、数十種類の成長因子・サイトカインをターゲットに、さらにPGペプチドの開発を進めていきます。

話題は変わりますが、来週2022/12/15にR&D説明会を開催いたします。昨年同様資料をウェブサイトに掲載させていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

こちらもご覧ください

ぺプチグロース、HGF代替ペプチド (PG-001)販売開始

ペプチグロースからPG-002販売開始

ペプチグロースで「BDNF代替ペプチド(PG-003)」の販売を開始します

ペプチグロースからPG-004販売開始

2022年12月8日木曜日

竹中ライフイノベーションセミナーで副社長の舛屋が講演させていただきました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/11/9に株式会社竹中工務店様主催で開催された竹中ライフイノベーションセミナーにペプチドリームの舛屋が参加させていただきました。

これは、食の領域での新たな取り組みを紹介するもので、竹中工務店様、Food Up Island様とともに合同で企画させていただいたものです。

Food Up Islandは、食品メーカーの研究員が中心となって集まる“食の共創コミュニティ”で、企業や業界の枠を超えもっと豊かで楽しい「食」を一緒に創っていくことを目的に活動をされています(リンク)。

Food Up Islandの金丸様、竹中工務店の日高様がそれぞれ食分野での取り組みをご紹介され、舛屋も自身のキャリアやペプチグロースの培養肉分野への応用可能性などをお話させていただきました。

その後のトークセッションで来場された方からのご質問をお受けしたのですが、食に関連する内容にとどまらず、グローバル製薬企業での経験をふまえた日本と海外の組織の違いや、ペプチドリームの中でどのような意思決定プロセスを取っているのか、など人材や組織に関連するご質問を多く頂きました。

その中で舛屋がお話させていただいたのが、フラットな組織を心掛け多くの社員と直接話をするようにしていること、例えば研究など特定の分野に突出している人材が活躍でき評価される組織にすること、などです。

ペプチドリームは従業員が約200人、研究開発がメインの事業であることから、イノベーションが産まれる環境を作り出すというのが非常に重要となります。組織という面からも、マネジメントの個性が反映された独自性の高い会社になっているのではないかと思います。

写真向かって左 ペプチドリーム 舛屋、右 Food Up Island発案者であるSEE THE SUN 金丸CEO




2022年12月5日月曜日

RayzeBio社との戦略的提携プログラムから一つ目の放射性治療薬開発候補化合物を選定しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/5RayzeBio社との戦略的提携プログラムから一つ目の放射性治療薬開発候補化合物を選定したことを発表しました(リンク)。

RayzeBio社とは2020/8に複数のRI-PDCプログラムについて戦略的提携を開始しました。ペプチドリーム主導で固形がんに発現するがん抗原を認識する新規の特殊環状ペプチドをPDPSにより創出し、それらのペプチドを用いたRI-PDCの開発・商業化をRazeBio社が行うというものです。

なお、2022/8に発表した通り、日本での開発・商業化についてはペプチドリームがオプション権を持っています(リンク)。

PDPSを用いたRI-PDC治療薬の創製というコンセプトに対して、今回このように具体的な進捗をお知らせできました。

戦略的提携の開始から約2年半という短期間でここまで達成できており、次はRI-PDC治療薬の臨床入りを目指していきたいと思います。

 

こちらもご覧ください:

2020/8/17 RayzeBio社とのペプチド放射性医薬品に関する戦略的共同研究開発

2022/8/26  RayzeBio社との提携拡大について


2022年12月2日金曜日

ペプチグロース 杉本社長のインタビューがLINK-Jのサイトで公開されました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/12/1にペプチグロース 杉本社長のインタビューがLINK-Jのサイトで公開されました(リンク)。

今年の8月よりペプチグロースの本社はLINK-Jのインキュベーションオフィスに移り、現状PG-001PG-0044製品を販売しています。学会や展示会のリアル開催が再開される中、精力的なマーケティング活動を行っています。

インタビューの中で杉本社長が、今後の方向として「三次元拡張」―地域の拡大だけではなく、様々な軸での拡大を行っていくということをお話されています。残りの軸が何を指しているのか、ぜひ記事をご覧いただけたらと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

2022年11月25日金曜日

東京大学知的財産報告書に紹介されました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

東京大学の知的財産に係る活動状況を紹介する東京大学知的財産報告書が今般初めて発行されたということです。その中でペプチドリームも「主な上場済み東大知財活用スタートアップ」として紹介されています。

ぜひご覧頂けたらと思います。

「東京大学知的財産報告書2022」

(ペプチドリームはpage17に掲載されています)

よろしくお願いいたします。

2022年11月24日木曜日

PDRファーマとEli Lilly社が提携しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/11/23PDRファーマとEli Lilly社がアルツハイマー型認知症に関連するPET診断薬の日本における共同開発契約を締結しました(リンク)。

共同開発を行うのはflortaucipir(18F)という化合物で、米国では2020/5Eli Lilly社が製造販売承認を取得し、Tauvid®という商品名で販売しています。flortaucipir(18F)PETを用いてアルツハイマー病患者の脳内に異常に蓄積したタウタンパク質による神経原線維変化(NFT: neurofibrillary tangle)を可視化する放射性診断薬です。

アルツハイマー型認知症においては、病態の進行に伴い脳内に沈着物が蓄積することが特徴ですが、その主なものがアミロイドベータ(Aβ)とタウタンパク質です。AβについてはAmyvid®(アミヴィッド®2012年に米国、2016年に日本で承認)など、プラークの可視化を目的としたPET診断薬が承認されており、タウタンパク質についても同様に信頼性が高く、高感度かつ低侵襲な診断方法が望まれている状況です。

タウは、中枢神経系の神経細胞に豊富に存在し、神経のネットワークを支える微小管を安定化するタンパク質です。タウタンパク質が過剰にリン酸化され、凝集体となり蓄積することでNFTsが形成され、微小管が不安定化し機能を喪失します。このようなことから、タウタンパク質の異常蓄積はアルツハイマー型認知症の悪性化に関わると考えられています。

PDRファーマとEli Lilly社はAmyvid®の日本における製品化を通じて強固な協力関係を構築してきました。今般、flortaucipir(18F)も共同開発することにより、Aβとタウタンパク質の異常蓄積を両方可視化できるようになり、アルツハイマー型認知症領域におけるPET診断薬の活用範囲がより一層拡大していくことを期待しています。

日本における承認取得後は、PDRファーマが国内での製造販売を担うことを予定しています。

 

参考:

Pharmaceuticals2021, 14, 110

アミロイドイメージング・タウイメージングの現状と展望


2022年11月18日金曜日

Johnson&Johnson Innovationのウェブサイトでペプチドリームが紹介されました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

Johnson&Johnsonグループの中でイノベーションを推進するための提携・出資・インキュベーションなどの活動を中心的に行っているJohnsonJohnson Innovationのウェブサイトでペプチドリームが紹介されました(リンク)。

アジアにおける提携の重要性などについてJohnson&Johnsonグループの医薬品部門であるJanssen Pharmaceutical社の創薬および製品開発・供給に関するグローバルヘッドであるRichard Tillyer氏が話をされています。

動画の150秒ごろからペプチドリームとの提携についての話題となります。

Richardさんのお話はまず創薬に関する考え方からスタートし、創薬の「第一歩」となる化合物として良いものをスクリーニングしてくることが、その後のプロセスにかかる時間を短縮するために重要であるということです。そのためにJanssen社はヒット化合物を見つけるプラットフォーム技術に多大な時間と労力をかけてきたということです。

2020/12にペプチドリームからPDPS技術のライセンスを受けた理由について、非常にヒット率が高く、どんなタンパク質に対しても結合する化合物を見出せる非常にエキサイティングな技術であるからだとご説明されています。現在Janssen社の社内ではPDPS技術が広く使用されており、重要な創薬エンジンとなっているということです。

このように、技術ライセンス先でペプチドリームのPDPS技術が高く評価され、活用いただいているという大変貴重なお話を聞くことができました。

技術ライセンス先が積極的にPDPS技術を活用するとライセンス・パートナーの社内にペプチドのチームが組成されるため、共同研究開発も含めてペプチド創薬が加速するという相乗効果が産まれます。これまでの日・米・欧の11社への技術ライセンスを通して、PDPSが特殊環状ペプチドに関する創薬のグローバル・スタンダードになっています。

ぜひご覧いただけたらと思います。

Innovation Spotlight with Richard Tillyer: Innovation Opportunities Across Discovery, Product Development and Supply in Asia Pacific


こちらもご覧ください:

ヤンセンファーマ社に対するPDPSの技術ライセンス契約を締結

2022年11月14日月曜日

LINK-J×BCG Biopharma R&D Seminarで副社長の金城が講演させていただきました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/11/1LINK-J主催のLINK-J×BCG Biopharma R&D Seminarが開催され、ペプチドリーム副社長の金城が講演し、パネルディスカッションに参加させていただきました(リンク)。

これは、製薬企業のR&D生産性を巡る近年のトレンドの全体像を概観し、生産性を高めるための事例紹介などを行っていくというセミナーで、今後定期的に開催される予定であるところの記念すべき第1回に登壇させていただきました。

この中で金城は「創薬ベンチャーにとってR&D生産性とは」というテーマでお話させていただき、ペプチドリームの事業の特色として


リレー方式:走者が変わっていく

Ø  製薬業界のバリューチェーンの中で研究(+開発の初期)に注力することで自社の技術的な強みを生かし、開発コストの負担の大きい臨床後期はパートナリングを活用する

タコ足打法:多くの線を延ばす

Ø  数多くのプログラムを実施することで成功確率の低い医薬品の研究開発のリスクを低減する

イチロー方式:ヒットを量産する

Ø  開発が成功し製品化されてから収益化するモデルではなく、パートナリングを活用することで研究開発段階から一時金収益などを確保し、黒字化に成功している


という点を説明させていただきました。このようなモデルを実施することで会社としてリスクを分散し効率的な経営を目指すとともに、業界全体のR&D効率化に貢献していきたいと考えています。


パネルディスカッションの様子。写真左からBCG中村様、ペプチドリーム 金城、第一三共 平島様、BCG 植草様

 

後半のパネルディスカッションでは、他の登壇者の方と一緒に会場からの質問にお答えさせていただきました。今後のR&Dの方向性について様々なご質問に皆さまがそれぞれのご意見を述べられていましたが、意見が一致する部分も多くありました。やはり、研究~開発早期が製薬企業にとって非常に大事なステージであり、その後の多大な開発費負担が生じる臨床後期の生産性はそのアーリーステージにかかっているという点を改めて認識しました。

自社の強みとするところにリソースを集中していくという中でパートナリングや外部のサービスの活用は今後ますます広がっていくと考えられ、ペプチドリームとしてもそのような業界の潮流に合わせた事業展開をしていきたいと思います。


2022年11月11日金曜日

2022年12月期 第3四半期決算の補足

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

本日、202212月期 第3四半期の四半期報告書を開示しました(LINK)。
いくつか新たな開示内容についてご説明させていただきます。

1.収益の分解について (四半期報告書:32ページ)

昨日お伝えしたセグメント収益の内訳を掲載しています(単位:億円)。

創薬開発事業セグメント:

2022/6末と比較して特に一時金収益が増加しました。昨日発表したRayzeBio社からのマイルストーンフィーの受領や、富士レビオへの非独占的技術ライセンスが大きく寄与しています。(単位:億円)


放射性医薬品セグメント:

収益の大半が製品の製造・販売・物流によるものです。(単位:億円)


2. PDRファーマ株式取得の影響について (四半期報告書:30ページ)

PDRファーマの株式取得の対価の価値の評価について、より詳しい情報を四半報に掲載しています。今般、取得原価の配分が確定し、のれんの価値を約111億円から約90億円に修正しました。その分、有形固定資産や無形資産が増加し、これらの償却が遡及して発生しています。Core営業利益は、コストのうち企業買収による会計処理の影響や買収関連費用などを除いて計算しており、202212月期の第3四半期のCore営業利益は約1.4億円となりました。

よろしくお願いいたします。



2022年11月10日木曜日

2022年12月期 第3四半期決算について

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
本日、202212月期 第3四半期決算を発表しました(LINK)。
また、RayzeBio社からのマイルストーンフィー受領についてプレスリリースを行いました。(LINK)。
主なアップデートは以下の通りです。

1.通期の業績予想(決算短信:サマリー)

通期業績予想のうち、売上収益 245億円Core営業利益 66億円については前回発表から変更ありません。富士フイルム富山化学の放射性医薬品事業の買収に伴う取得原価の配分などが完了し、営業利益 61億円、税引前利益 60億円の予想を新たに追加いたしました。
Core営業利益とは営業利益から企業買収の影響や買収関連費用、その他を控除したものです。

2. パイプラインの内訳について (決算短信2ページ)

2022/9末時点でのプログラムの総数は6月末時点の124プログラムから2プログラム増加し、126プログラムとなりました。注目していただきたいのはステージアッププログラムが多くあるという点です。

ヒット化合物-リード化合物ステージ 62プログラム→72プログラム
リード化合物-GLP安全性試験ステージ 21プログラム→26プログラム

となりました。
これは、今年の夏から特に海外パートナーとのやりとりが活発化してきたことによるもので、対面でのミーティングの再開などによりステージアップの動きが進みました。

3. RayzeBio社からのマイルストーンフィー受領について

ペプチドリームの戦略的パートナーであるRayzeBio社との共同研究開発において、プログラムの進捗に伴うマイルストーンフィーとしてRayzeBio社の株式を2022/9に受領しました。こちらについて、今期より適用しているIFRSにおける収益認識の取り扱いが確定し、第3四半期の売上収益として計上しています(金額に関してはRayzeBio社との契約により非開示となっています)。

4.3Q業績について(決算短信:22ページ)

・売上収益112億円(対前年同期比43.3%)、Core営業利益1.4億円(対前年同期比▲96.4%)、営業利益▲4.3億円となりました
・売上の内訳は以下のとおりです。

 

創薬開発事業セグメント

=ペプチドリーム)

放射性医薬品事業セグメント

=PDRファーマ)

連結

売上収益

36億円

76億円

112億円

セグメント利益

1.9億円

1.8億円

0.1億円

営業利益

 

 

4.3億円

セグメント利益と営業利益に差が生じていますが、セグメント外のコストとして今般の買収に伴う費用(アドバイザリーフィーや固定資産の償却費)として4.1億円が発生しているためです。

よろしくお願いいたします。