2022年8月2日火曜日

低分子化に関する論文が発表されました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/7/29に特殊環状ペプチドから低分子創薬を行う論文が発表されました(リンク)。
Journal of Medicinal Chemistryという、医薬品化学分野の最高峰の雑誌の一つと言われているアメリカ化学会発行の学術雑誌に掲載される予定です。

この論文は塩野義製薬の研究者との共著論文で、「Peptideから低分子へ」、ヒットペプチドから得られたファーマコフォア(※)情報をもとに低分子をデザインする方法論について、NNMT(ニコチンアミドN-メチルトランスファー酵素)をターゲットとしたケースにより成功したというものです。

一般的にペプチドは低分子化合物と比較して複雑な様式でターゲットと結合するので、ペプチドからの低分子化には工夫が必要で、今回の論文では新規性の高い手法を活用しています。

低分子化合物ライブラリーを用いたスクリーニングの成功確率は1/31/4くらいともいわれています。低分子化合物医薬品の開発において、この論文のように、短期間で非常に高い確率でヒット化合物を取得できるPDPSを用い、まずはペプチドのヒットを得てから立体構造解析を経て低分子化合物を理論的にデザインしていくというやり方の方が近道かもしれません。
ご興味があればぜひ読んでみて下さい。

どうぞよろしくお願いいたします。

※ファーマコフォア:ターゲットとの相互作用に必要な医薬品の立体的な特徴
 
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