2022年5月30日月曜日

Amolyt社がAZP-3813について学会発表を行いました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

2022/5/22Amolyt社が欧州内分泌学会(ECE)で、当社からのライセンス品であるAZP-3813の研究成果の発表を行いました(リンク)。

先端巨大症の治療は、5/17ブログでご紹介したように、成長ホルモンの分泌そのものを抑制するか、成長ホルモンを細胞内に取り込むレセプターの働きを阻害することでIGF-1の体内濃度を下げるという方法が取られています。AZP-3813はペプチドリームの創薬プラットフォームであるPDPSを用い成長ホルモン受容体に対するアンタゴニストとして見出され、ターゲットへの結合性や溶解性、血中半減期などをさらに向上させる最適化を行った医薬品候補化合物です。

今回の学会発表では、成長ホルモンと成長ホルモン受容体の相互作用を阻害し、IGF1レベルの上昇を抑える効果を確かめるため、ラットにAZP-3813を様々な量で投与しました。投与前と投与24-72時間後に血液を採取しIGF1の量を確認したところ、投与24時間後に容量依存的にIGF1レベルの抑制が見られました。投与48時間後には、IGF1レベルはコントロール群と同等のレベルに戻りました。
また、AZP-381330mg/kg11回または12回)で4日間投与し、投与前後のIGF1レベルを確認しました。この実験ではすでに先端巨大症の治療薬として販売されているSomavert100mg/kg11回)投与した比較群についても同様の解析を行いました。
AZP-3813投与群においては、IGF1の抑制は1回投与した24時間後が最大であり、その後、最後の投与を行って24時間後までそのレベルが維持されました。一方、Somavert投与群では、徐々にIGF1レベルがさがり、4日目に最大の抑制効果を示しました。
IGF1のレベルは個体間、あるいは個体内でも変動が大きいのですが、AZP-3813の投与により、IGF1レベルを抑制し、その変動を少なくコントロールできているデータが示されました。

このように、ラットのモデルにおいて、すでに先端巨大症の治療薬として販売されているSomavertと比較して、より迅速・強力にIGF-1の体内濃度を下げることを示しました。

今後、AZP-3813を先端巨大症の医薬品候補化合物として開発を進めていくのにあたり、非常に高い可能性を示すデータであると考えています。
今後の開発の進捗に期待したいと思います。