2022年5月17日火曜日

Amolyt社がAZP-3813について学会発表を行います

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

昨日、Amolyt社が欧州内分泌学会(ECE)及び米国内分泌学会(ENDO)で、ペプチドリームからのライセンス品であるAZP-3813の研究成果の発表を行うことをリリースしました(リンク)。

AZP-3813は成長ホルモン受容体の働きを阻害するペプチドで、Amolyt社が20219月にペプチドリームからライセンスしました。現状、Amolyt社が先端巨大症の治療薬としての研究開発を実施しており、2022年中の臨床入りを目標にしています。

先端巨大症は良性の腫瘍から成長ホルモンが異常に多く分泌されることにより発生すると考えられている希少疾患で、欧米の患者数は6万人以上、国内の患者数は1万人前後と言われています。

この成長ホルモンの過剰な分泌により、細胞内でIGF-1というホルモンが多く産生され合併症の発症などの病態の悪化に関連すると考えられています。先端巨大症の治療は、下図のように、①成長ホルモンの産生を抑制するか、②成長ホルモン受容体の働きを阻害することでIGF-1の体内濃度を下げるという方法が取られています。


ECE
での発表では、AZP-3813がすでに先端巨大症の治療薬として販売されているSomavert(※1)と比較して、より迅速・強力にIGF-1の体内濃度を下げることを示すということです。現状先端巨大症の治療薬として使われているソマトスタチン誘導体やSomavert2020年の売上合計が63 億ドル(約8,100億円)までのぼっていますが、現状の治療では必ずしも精密なIGF-1レベルの制御が実現できていません。Amolyt社ではAZP-3813をソマトスタチン誘導体と併用される薬剤としての開発を計画しています。

今回、AZP-3813の順調な進捗が学会で発表されるということで、大変嬉しく思っています。今後の開発についても引き続きフォローし、何か進展があればご報告させて頂きたいと思います。

1 SomavertPfizerから販売されている先端巨大症の治療薬。成長ホルモンの受容体への結合を阻害するタンパク製剤で、皮下注射により投与します。