2019年12月10日火曜日

米国血液学会(ASH)でクリオ社がCD38-ARMについてポスター発表

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。米国のフロリダ州オーランドで開催されている第61回米国血液学会(ASH)で当社の戦略的パートナーであるKleo Pharmaceuticals(以下 クリオ社)が、当社との共同研究から得られた多発性骨髄腫を適応症とする臨床候補化合物CD38-ARMの非臨床試験についてポスター発表を行いました。

3つの異なる多発性骨髄腫の動物(マウス)モデルにおいて、CD38-ARM化合物は治療的に活性があることが実験データとともに示してあります。特筆すべきものとしては、CD38-ARM化合物の投与によるNK(ナチュラルキラー)細胞の減少が起きていないということです。骨髄腫細胞の細胞表面にあるCD38という分子を標的とした多発性骨髄腫の治療薬としてはすでに抗体医薬(一般名:daratumumab、商品名:ダラザレックス)が発売され、1000億円を大きく上回るブロックバスター薬となっていますが、daratumumab(ダラツムマブ)投与による主な有害事象(副作用)としてNK細胞の減少が指摘されています。

クリオ社の2019年11月6日付プレスリリースでは、クリオ社は2020年1QにIND申請(臨床試験実施のための申請)を計画していると記載しています。次世代のがん免疫療法薬の研究開発は着実に進んでいるようです。