2022年4月28日木曜日

次世代放射線医薬品の開発状況

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。2022/4/14のブログでご説明した次世代放射線医薬品は海外、特に米国で開発が進んでいます。

主な次世代放射線治療のターゲットと、治療薬の開発状況は以下の通りです。

ターゲット

がん種

開発状況

SSTR
(ソマトスタチン受容体)
神経内分泌腫瘍
Lutathera ®Novartis社)が2017年に欧州、2018年に米国、2021年に日本で承認
・米Point Biopharma社がP3を実施中
PSMA
(前立腺特異的膜抗原)
前立腺がん
PluvictoTMNovartis社)が2022年に米国で承認
・豪Telix社がP3を実施中
・米Lantheus社がP2を実施中
インテグリンαvβ3/5
脳腫瘍など
PDRファーマがNovartis社に海外における開発・販売権をライセンス
FAP
(線維芽細胞活性化タンパク質)
固形がん
・米Clovis OncologyP1を実施中

海外では放射性医薬品市場が75.5億USD(2021年、約9,800億円、※1)、年率10~20%で成長しているとのことです(※1、2)。放射性医薬品には大きく診断薬(SPECT診断、PET診断)と治療薬がありますが(※3)、今後大きく伸びると予想されているのが治療薬で、現在臨床段階にある上の表の次世代放射線治療薬が実用化されることが期待されています。

※1:株式会社グローバルインフォメーション
※2:BofA分析資料
※3:SPECT検査、PET検査についての説明はこちら

PDRファーマは、国内において数少ない放射性医薬品に関するインフラを持つ企業、かつ、ルタテラの国内開発経験もあるということで、実績を活かし海外の開発先行品を導入していきたいと考えています。特に注目しているのはPSMAで、治療効果のポテンシャルが高く、マーケット性も高いため、国内導入を積極的に進めていきたいと考えています。

また、ペプチドリームとPDRファーマが共同で新規のRI-PDC医薬品を創製していくことも考えています。まずは、2022年下期中に最初の臨床候補化合物の選定を完了することを目指しています。この自社品については、日本ではPDRファーマが開発・製造・販売をすべて一気通貫で行い、海外市場については他社と共同開発または導出することによって価値最大化を進めていきたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。