2019年6月30日日曜日

ノバルティス社とPDCの新規契約を締結しました

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社は6月28日(金)にワクワクする契約をスイス・ノバルティス社と締結することができました。PDCの共同研究開発に関する契約締結です。当社はノバルティスから契約一時金を受領します。

PDCとは、当社の特殊環状ペプチドを、標的分子へ薬剤となる化合物を届ける“運び屋”として活用することで、効果が高く、副作用の少ない医薬品の開発を目指すものです。

PDCについては、今年に入り、塩野義製薬との共同研究契約締結や、JCRファーマとの共同研究において血液脳関門通過性を付与するキャリアペプチドの創製、米クリオ社との臨床候補化合物の創製と、次々とニュースリリースを出してきましたが、今回の契約は私にとってはワクワク度が一段と高いものです。

それは、今回の契約は運び屋である特殊環状ペプチドに結合させる薬剤に、ノバルティスが放射性核種も選定しているからです。ノバルティスは放射性核種を用いた放射性医薬品を、先端治療分野における今後の成長の推進力の一つと位置付けてプラットフォームの構築に力を入れています。2018年1月に放射線医薬品会社のAdvanced Accelerator Applications社(AAA)を39億米ドルで買収し、同年10月にはEndocyte社を21億米ドルで買収しています。β線を放出するLu177という放射線核種を用いた放射線医薬品「Lutathera(ルタセラ)」は、米国FDAの承認を取得し米国における服用回数は順調に拡大、売上高も伸びています。多くの有望なパイプラインも手に入れています。

放射性核種を用いた医薬品の領域に実績があり、事業インフラを持った、熱意のある世界大手製薬会社との共同研究開発を開始するのです。私はスピード感のある対応をしていただけるのではないかと予想しております。期末ギリギリとなりましたが、とても興奮・ワクワクする契約と思っています。