2023年3月22日水曜日

RayzeBio社とRI-PDCの開発候補化合物を選定しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

本日RayzeBio社との間で実施している戦略的提携プログラムから2つ目となる、RI-PDCの開発候補化合物を選定しましたので、お知らせいたします(リンク)。

本開発候補化合物は肝臓がんで発現されるグリピカン3に対する新規のファースト・イン・クラスとなるRI-PDCです。グリピカン3は正常な肝細胞や他の組織では発現されず、肝細胞癌において特異的に発現するため、放射性核種を結合することでがん細胞を特異的に攻撃する作用を期待しています。

今回の開発候補化合物はRayzeBio社の前臨床モデルにおいてグリピカン3への強力かつ選択的な結合、迅速な細胞内への取り込み、持続的ながん細胞での取り込み、および抗腫瘍効果が確認されました。

RayzeBio社では初期的な前臨床試験データを2023420日にポルトガルのEstorilで開催されるEASL Liver Cancer Summitで発表する予定です。

世界で年間80万人の方が肝臓がんで亡くなり、世界の死因の第3位となっています。肝臓がんの患者さんの5年相対生存率(※1)は約20%であり、肝臓がんが進行した状態の患者さんの生存率はさらに低くなっています。現状では肝臓がんに対する治療のオプションは限られており、新しい治療法が求められています。本化合物の前臨床試験の結果や開発の進捗についてはまたご紹介させていただきます。

1: あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、全体で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表します。

こちらもご覧ください:
2022/12/5 RayzeBio社との戦略的提携プログラムから一つ目の放射性治療薬開発候補化合物を選定しました