2023年3月27日月曜日

PDRファーマの「テクネ®フチン酸キット」の適応追加の承認を取得しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

本日PDRファーマの「テクネ®フチン酸キット」について、効能⼜は効果の⼀部変更承認を取得しましたリンク)。

本剤は、「肝脾シンチグラムによる肝脾疾患」「乳癌、悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節(以下、SLN)の同定及びリンパシンチグラフィ」の効能を取得していましたが、今般、「子宮頸癌、子宮体癌、外陰癌及び頭頸部癌(甲状腺癌を除く)におけるセンチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィ」が適応として加わりました。これらは、日本婦人科腫瘍学会と日本耳鼻咽喉科学会(現、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)の要望に応じて開発を進め、2022/5に承認申請を行ったものです。

「テクネ®フチン酸キット」は投与される際には「フィチン酸テクネチウム(99mTc)」の注射液となりますが、この物質がSLN内に補足される性質を利用し、SLNを特定することができます。SLNは、がん細胞が最初にたどりつくリンパ節と定義されており、がん近傍のリンパ節の中で最初に転移が生じる可能性の高いリンパ節です。このため、本剤を用いた検査でSLNを特定し、生検でSLNにがん細胞がないことを確認できれば、それ以外のリンパ節にも転移がないと考えられます。その場合、手術に併せて一律に実施されることが多いリンパ節郭清を省略できます。

※リンパ節郭清:手術の際に、がんだけでなく、がんの周辺にあるリンパ節を切除すること。がん細胞はリンパ節を通って全身に広がっていく性質があるため、がんが転移している可能性がある部分を取り除いて、再発を防ぐことを目的としています。一方で、リンパ節郭清を行った患者さんの一部では、機能障害やリンパ浮腫などの後遺症が発症し、患者さんのQOL悪化の原因となっています。

今般の適応拡大により、患者さんのQOL向上に貢献することができれば、非常に素晴らしいことと思っています。

また、これは2022年通期決算説明会でご説明したPDRファーマの中長期計画の一環であり、今後25年のあいだ既存製品の拡大やPET新製品の販売などにより売上利益を確保し、それ以降に上市を目指す治療薬新製品の開発のため、パイプラインへの再投資を行っていくというものです。