2022年10月7日金曜日

個人投資家説明会で頂いた質問①:プログラム・技術について

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。

9/26に開催した個人投資家説明会で頂いたご質問のうち、その場でお答えできなかったものを回答させていただきます(テーマ別に3つに分けています)。

Q8に関連してですが、PD-L1のプログラムのように数年間進捗をお知らせしていなかったプログラムに進展が見られるなど、医薬品の開発はロングスパンで行われている面もあります。ペプチドリームの中でPDCなど新たなプログラムが生まれてくるなか、以前からのパートナーと新たなプロジェクトを開始するということもあります。

進行中の124プログラムについてはパートナーと共同あるいは自社でいずれもアクティブに進めており、開示可能な進捗についてはお知らせしていきたいと思います。

プログラム・技術について

Q1. PD-L1阻害剤は来年PhIIを始める可能性があるとのことですが、PhIb/PhIIPhIbパートではなく、PhIIを始めるのでしょうか。

A1. PD-L1阻害剤の次世代薬について、現在PhI試験が進められております。臨床試験はBMS社が実施しており、試験の内容や名称については、現時点では確定しておりません。


Q2. BMS社との提携時は承認までのマイル総額が40億円程度とあまり大きくなかったかと思います。ロイヤリティ率もマイルストンと同様にあまり高くないのでしょうか。それとも業界の創薬初期段階の提携の平均的な数字くらいはあるのでしょうか。

A2. マイルストン総額・ロイヤルティなど経済的条件についてはBMS社との契約により、非開示とさせて頂いております。一方、ロイヤリティ比率については、他の提携案件と比べて平均的な水準であり、特に逸脱するような比率が設定されていることはございません。

 

Q3. BHV-1100で時間がかかっていた長期作動性の製剤は上手くできそうなのでしょうか。舛屋副社長のお話ではパイプラインの1-2割程度が経口薬になりそうだということなので、注射薬の長期作動性製剤は非常に重要になるかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

A3. BHV-1100に関しては、開発スピードや標準治療フローとの組み合わせやすさの観点から、現在はNK細胞との併用での開発が先行しております。一方、長期作動性の薬剤による臨床上のメリットも明確にあることから、並行して必要な製剤化の検討を進めております。ご指摘の通り、長期作動性製剤に対するニーズは今後ますます重要になっていくものと考えており、パートナー先のBiohaven社とも協議しながら、最適な開発を進めていきたいと考えております。

 

Q4. BHV-1100/NK細胞コンボは例外的に臨床試験の開発費を負担しているとのことでしたが、より開発費が大きくなるであろうBHV-1100単剤の開発費も負担するのでしょうか。

A4. BHV-1100を含めて、戦略的アライアンスとして進めているプログラムに関しては、成果物を共有することになる一方で、コストについても一部負担する場合がございます。負担割合についてはプログラムごとに決定されており、BHV-1100単剤の開発費に関しては、現時点において当社側の大きなコスト負担を予定しておりません。

 

Q5. 臨床中のCOVID創薬の開発見通し状況はいかがでしょうか?感覚的なコメントで結構ですので、感触を教えていただければ幸いです。

A5. 当社FY2022 Q2説明会資料22ページに記載の通り、2023年に米国での臨床試験(PhI/ PhIIa試験)を計画しており、現在これに向けて順調に準備が進められております。

 

Q6. PA-001の臨床試験の費用はどうするのでしょうか。

A6. PA-001は、当社関連会社のペプチエイドが主体となって開発しているプログラムであり、今後の臨床試験の内容や実施にかかる費用に関しては現在ペプチエイドにおいて精査されています。

 

Q7. ミオスタチン阻害剤は従来とは別ペプチドで進めているかと思いますが、現在進めているものはPDPS由来なのでしょうか。

A7. 現在開発しておりますMyostatin阻害ペプチドは、当社のPDPSにより創出された化合物です。

 

Q8. 舛屋副社長が宮田さんとの対談で休眠中の契約もあるとおっしゃっていましたが、どの契約が休眠中なのでしょうか。

A8. 「休眠中の契約」という表現は誤解を招く可能性があり、必ずしも適切な表現ではないものと考えております。正確には、創業当初のプログラムの中には、契約関係は継続しているものの、(様々な理由により)プログラムのアクティビティレベルが低く、動いていないものもあるという趣旨の説明と理解しております。なお、当社が発表している進行中の124のプログラムについては、そのようなプログラムは含まれておらず、アクティブなプログラムのみをカウントしております。研究開発においては、中長期的な関係性の中で定期的に意見交換を行いながら新たな研究の種を議論することが一般的であり、その中でまた新たなプログラムが生まれてくる場合も多くございます。

 

Q9. 決算説明会の資料の中期目標のグラフでは202312月期に上市品が出てきますが、これはどの開発品を想定しているのでしょうか。

A9. 当時の想定シナリオを前提にすると、複数の開発候補品の可能性がございます。一方で、発表時点から開発状況に変化が出てきているプログラムもございますので、確定したタイミングで情報開示を予定しております。

 

Q10. 中期目標では各パイプラインの成功率や開発期間をどれくらいの数字で見積もっているのでしょうか。2026年の臨床試験入りや上市の目標は達成できそうなのでしょうか。

A10. 中期目標の策定にあたっては、一律の成功確率や開発期間を掛け合わせるのではなく、個別プログラムごとの特性に合わせて、必要な開発期間を予想し、積み上げております。また、2026年までの中期目標の数値について、現時点での変更はございません。

 

Q11. ペプチドの利点に組織浸潤性が挙げられるかと思いますが、抗体とペプチドの中間サイズのモダリティ(アフィマーやナノボディなど)に対しても大きな優位性を示すのでしょうか。

A11. 組織浸潤性において、分子量サイズが重要な要素の一つであることはご指摘の通りです。一方で、薬剤として仕上げていくことを前提に組織浸潤性を満たそうとする場合、それ以外の物質特性も重要になることがございます。モダリティごとにそれぞれの長所短所がありますが、最終的に目指す薬剤の要件に合わせて、最適なモダリティを適材適所に活用していくのが重要であり、当社もペプチドのメリットを最大化する観点から、今後もさらに活用範囲を拡げていきたいと考えております。