ぺプチスターのWeb一面に記載されていますが、本社研究棟は今年5月より稼働を開始しており、製造棟は10月初旬に予定している第一号製造品の製造開始に向けて準備が進んでいるそうです。ぺプチスターの設立時に、私にところにこんなに早くGMPに準拠した特殊ペプチドの原薬工場が完成するのかという質問を多数いただきましたが、当初の計画通りの進捗となっており、関係者のご努力に敬意を表したいと思います。
なお、IR広報ブログでの紹介が遅れましたが、ぺプチスターの代表取締役社長が窪田から亀山 豊(かめやま ゆたか)氏に代わっています。ぺプチスターが6月21日にマスコミ各社に送ったプレスリリースには新社長の選出理由について、「事業計画立案、資金調達及び出資交渉等の会社設立のステージから、イノベーションの実現に向けた取り組み、GMP製造体制及び品質保証体制等、実務立ち上げを加速するため、より医薬品受託製造を志向した経営体制に移行します。」と説明されています。
私から少し補足説明をしますと、ぺプチスターは2017年9月に当社、塩野義製薬、積水化学工業の3社(創業3社といいます)が合弁で、特殊ペプチド原薬の製造プロセスに関する研究開発、製造および販売を行うCDMO(医薬品開発製造受託機関:Contract Development and Manufacturing Organization)として設立されました。設立されたばかりのぺプチスターが最初に行うべきことは、国内の様々な会社が有する技術を融合することにより高品質、高純度でしかも製造コストを大幅に低減する最新技術を開発すること、そしてそれを世界品質のGMP基準で提供する工場を設立することでした。
工場建設が当初計画どおりに2019年秋の本格稼働に向けて順調に進み、7月10日に竣工式を開催する段階となり、ぺプチスターは企業として新しいステージに入りつつあります。このステージでは、出来上がった工場が医薬品製造の国際品質基準に準拠した建物になっているかを査察する許認可機関への説明能力や、認可が得られた後はユーザーと実際に受託製造に関する契約条件などをつめる交渉力になります。そこで医薬品原薬の受託製造販売の経営・運営の経験ノウハウのある人物が経営トップとなる人事が決定されました。株主の全会一致の賛成が得られたそうです。
窪田だけでなく、創業3社から選出された会社立ち上げ時の取締役は全員が退任し、新体制への移行によってステージアップを加速していきます。私が窪田に今回の人事についてひとことコメントくださいとの依頼に対し、「いかに実際に沿った体制を運営させるかにポイントを置きました!」との答えが返ってきました。
亀山新社長とは昨日初めてお目にかかりました。竣工記念式典では窪田の後に挨拶をされましたが、とても誠実な感じの印象です。私は式典の最後に行われたマスコミ各社との質疑応答にも同席させてもらいましたが、さすが実務に詳しいなと思いました。
ぺプチスターの工場が本格稼働することにより、より緊密な連携体制の中で、当社の事業の拡大が加速されると私は予想しています。
竣工記念式典で挨拶する亀山新社長 |