みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。13日(火)の15時30分に平成30年6月期 第2四半期の決算を発表しました。第2四半期累計期間(平成29年7月~12月)の業績は、売上高が9.1億円、営業損益は8.9億円の赤字となりました。
発表後に電話で問い合わせのあった各証券会社のアナリストの多くは「ほぼ想定線でサプライズはありませんね」という冷静な反応でした。昨年11月に第1四半期決算の発表の際には、驚かれたアナリストやファンドマネージャーが多かったのですが、当社の収入・費用構造を丁寧に説明してきた効果が出てきたのでしょうか、当社の業績に対する理解が進んでいるように感じています。
第2四半期累計業績も赤字となりましたが、第1四半期(平成29年7月~9月)と第2四半期(平成29年10月~12月)では内容が大きく異なっているとみております。
収入面では第1四半期は、新規契約による契約一時金もなく、研究開発の順調な進捗に伴うクライテリア達成によるマイルストーン収入もありませんでしたので、売上高は1.7億円にとどまりました。しかし、第2四半期は独バイエル社との創薬共同研究開発の新規契約による契約一時金があり、マイルストーン収入も旭化成ファーマ、米国メルク社、米国リリー社、塩野義製薬の4社から受領しました。このため、第2四半期の3か月間だけを切り出すと売上高は7.4億円となっています。
費用面についても、第1四半期は米国クリオ社への一時金約3億円の支払い(研究開発費として計上)と移転関連費用(約2億円)という2つの特殊要因があったため、3か月間の費用(売上原価と販売管理費の合計金額)は12億円(月平均4億円)とふくらみ、これが主因で営業損益は10.3億円の赤字となりました。これに対して、第2四半期はこれら一時的な費用の発生がなかったために3か月間の費用は6億円(月平均2億円)に抑えることができました。このため、第2四半期の3か月間だけを切り出すと営業損益は1.3億円の黒字に転換しています。
今回発表した決算短信の5ページ目の(3)に書きましたように、「当第2四半期累計期間の業績は、いずれの利益項目においても損失を計上しましたが、通期計画に対しては想定の範囲内の進捗であり、現時点においては、平成29年8月9日に発表いたしました平成30年6月期の業績予想を据置といたします。」これが当社からみなさまへのメッセージです。
当社の事業が順調かどうかを判断する材料として、今6月期から新たに「開発プログラムの進捗状況」を数字として決算短信およびホームページで開示することを開始しています。平成29年6月末の進行プログラム数は60でしたが、9月末で68となり、12月末には82と増加ペースが大きくなっています。それらのうちHit-to-Lead(リード化合物)のステージに入っているプログラム数は、平成29年6月末が23でしたが、12月末で29に増えています。今後はこれらの多くが前臨床試験に入り、その後に臨床試験へと移ってゆき、当社の業績をけん引すると考えています。