2021年9月9日木曜日

アモライトへの先端巨大症治療薬候補のライセンスアウトを発表しました

みなさま、こんにちは。IR広報部の沖本です。
202199日、フランスのベンチャー企業であるAmolyt(アモライト)社へ、先端巨大症に対する治療薬候補ペプチドをライセンスアウトしたことを発表しました。(リンク)。

アモライトとは、2020128日に共同研究開発およびライセンスオプション契約を締結しました。12月以降、成長ホルモン受容体のアンタゴニスト(※)ペプチドの最適化を実施してきましたが、リード化合物としてAZP-3813を選定し、今般のライセンスオプション行使に至りました。
今後はアモライトが主体となって2022年中の臨床試験入りを目指し、治療薬としての開発を進めていきます。

先端巨大症は脳下垂体にできた良性腫瘍から成長ホルモンが大量に分泌されることにより発症する希少疾患で、手足やあごの肥大に加え、様々な合併症を引き起こします。
既存薬としては、ソマトスタチンアナログ(※)が主流ですが、必ずしも治療効果が十分ではありません。AZP-3813は次世代の成長ホルモン受容体アンタゴニストとして、ソマトスタチンアナログとの併用を想定した開発を進めていきます。

アモライトのCEOティエリー・アブリバさんは以前経営した会社をJazz Pharmaceuticals社やMillendo Therapeutics社に売却した実績のあるアントレプレナーです。アモライトはこれまで約78百万ドルを調達し、内分泌領域における医薬品開発の豊富な経験を持つDr. Svanbergさんも新たに取締役として加わりました。内分泌領域における希少疾患の医薬品開発を行う会社として、着実に進展しています。

ペプチドリームが見出したペプチドを最適なパートナーにライセンスすることができ、戦略的提携プログラムの提携成功事例をまた1つ増やすことができました。ペプチドリームでは、今後より一層このような戦略的提携/自社で実施するプログラムを増やしていきたいと考えています。

どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
 
※用語の説明
アンタゴニスト:拮抗薬、受容体に結合しホルモンの働きを阻害する
ソマトスタチンアナログ:成長ホルモンの働きを抑制する働きのあるソマトスタチンの誘導体