みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。12日(水)の15時30分に「Sosei HeptaresとのPAR2アンタゴニスト・ペプチドに関する共同研究におけるマイルストーン達成のお知らせ」をリリースしました。
当社とそーせいグループ株式会社の子会社である英国Heptares Therapeutics社(以下 両社を総称して Sosei Heptares)は、2017年6月に炎症性疾患の治療において重要な役割を担っているGタンパク質共役受容体(GPCR)を標的とする新規治療薬の研究開発・商業化を目的とした戦略的共同研究契約を締結しました。創薬ターゲットは、炎症性疾患や疼痛において重要な役割を担っているGPCRであるプロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)です。
PAR2は、細胞膜を7回貫通している構造の受容体で、体内の酵素(トリプシン等)によって受容体の細胞外にある端に近い箇所が切れ、その切れた先端領域が、同じ受容体の第2ループに結合することで活性化し、細胞内にシグナルを送るという独特の活性化機序となっています。そのため、PAR2は既存の創薬手法ではアプローチするのが困難な創薬ターゲットとして知られています。
しかし、両社のプラットフォーム技術(StaRとPDPS)を組み合わせることで、PAR2に対する選択的アンタゴニスト(受容体拮抗剤)として高い活性を有し、かつ経口投与に適した新規ペプチドの創製に成功しました。炎症が消化管に起こる病気である炎症性腸疾患(IBD)における炎症・疼痛に対する経口治療薬として、共同で前臨床試験を実施するとともに、様々な提携および導出の可能性についても検討してまいります。個人的には今回のニュースリリースは製薬企業が関心をもつ内容と思っています。楽しみな化合物がまた一つ増えました。