みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。11月11日(日)に宇宙航空研究開発機構JAXA(ジャクサ)より、8日に国際宇宙ステーション(ISS)を出発した宇宙ステーション補給機「こうのとり」に搭載されていた小型回収カプセルが太平洋の南鳥島(東京都小笠原村)付近の海上に着水したことが午前7時6分に確認されたと発表されました。この小型回収カプセルの中には、当社のサンプル(宇宙結晶:標的タンパク質に特殊環状ペプチドが結合したものをISSの無重力環境下で結晶化したもの)が入っています。
同カプセルは、JAXAにより船で回収された後は、筑波宇宙センターに運ばれます。当社のサンプルは、そこで結晶を観察し、結晶の状態に問題がなければ、その後、兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設(SPring-8)でX線構造解析を行う予定です。
これら一連の作業により、標的タンパク質のどの部位に、特殊環状ペプチドが、どのように結合しているかについて、高い解像度の構造情報を得ることができるのです。宇宙を活用することによる精度の高い情報が、“効果が高く、副作用が極めて少ない”医薬品を創出する基盤データになると考えられています。
これまで日本が開発した「こうのとり」はISSへ物資を届ける役割だけでしたが、今回初めて、ISSから地上へ物資を持ち帰るというミッションに挑戦しました。今回の試みが成功すると、当社の宇宙を活用した創薬の時間短縮が期待できることになります。