2018年6月26日火曜日

ジェネンテック社との創薬共同研究開発の拡大契約

みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。当社は25日(月)、「米国ジェネンテック社との創薬共同研究開発の拡大契約のお知らせ」を発表しました。本契約に伴い、当社は米国ジェネンテック社から契約一時金を受領します。

バイオアナリストを累計18年間やってきた私にとってGenentech(ジェネンテック社)は特別な存在です。「遺伝子組み換え技術」の発明者の一人である米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のボイヤー博士が1977年に設立したバイオベンチャーのパイオニアであると同時に、新たな市場を創出してきた創薬バイオベンチャーの雄だからです。アメリカンドリームをバイオの世界で実現させた会社でもあります。
遺伝子組み換え技術を医薬品開発に応用しバイオ医薬品第1号となる糖尿病治療薬「インスリン」を開発し、第二世代のバイオ医薬品である抗体医薬についてもハーセプチン、アバスチンなど10を超える製品を開発し、一大巨大市場を創りあげたリーディングカンパニーなのです。

新たな創薬に関する先見性の高いジェネンテック社は、2015年12月に当社とPDPSを活用した複数の創薬標的タンパク質に対する創薬共同研究開発契約を締結しました。そして開発を開始して1年もたたない2016年7月にPDPSの非独占的技術ライセンス契約を締結しました。これにより、ジェネンテック社は創薬標的タンパク質の制約なく、自由にPDPSを用いた創薬研究開発が自社内で行えるようになっています。

そして今回、新たな複数の創薬標的タンパク質に対して特殊環状ペプチドを創製する創薬共同研究開発の“拡大契約”を締結しました。複数というのは2個という意味ではありません。プログラム数は開示できませんが、拡大契約と呼ぶにふさわしい数となっています。

現在の医薬品市場の勝ち組となっている抗体医薬の市場形成・拡大をけん引したジェネンテック社が、特殊環状ペプチドを用いた創薬にこれまで以上に力を入れることになりました。今後の進捗を楽しみにしたいと思います。