2020年11月13日金曜日

コロナ薬開発新会社ペプチエイドを設立

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。11月12日に「新型コロナウイルス感染症治療薬の開発を目的とした新会社設立のお知らせ」を発表しました。

富士通、みずほキャピタル、竹中工務店、キシダ化学と5社合弁で設立した新会社の社名はペプチエイド(英文名:PeptiAID)です。社名の由来ですが、前半のぺプチはペプチドを用いた治療薬という意味であり、後半のエイドはAnti-Infectious Disease(抗感染症)の頭文字のAIDおよび、「治す」の意味のAID(キズを早くキレイに治す「バンドエイド(BAND-AID)」のエイド)です。

なぜペプチドリームが自社単独でなく、新会社設立というスキームを選んだのかという質問が私のもとに多数寄せられていますが、当社の新型コロナウイルス感染症に対して有効な治療薬を世の中に届けるという社会的ミッションに対する強い賛同が多く寄せられ、日本発の新型コロナ治療薬を短期間で仕上げていこうというアスピレーション(大志)を形にしたのが今回の新会社なのです。

ワクチンでは十分でないのかという質問もありますが、インフルエンザの状況を見てもわかるように、日本では毎年インフルエンザワクチンを接種しても年間約1,000万人が感染し、2018年は3,000人以上が死亡しています。これでパニックにならないのは、タミフル、リレンザ、ゾフルーザ等の抗インフルエンザウイルス治療薬が存在するからです。新型コロナウイルスに対するワクチンが開発されたとしても、疾患を適切にコントロールしていく上では治療薬の存在は不可欠といえます。

また、緊急承認されている薬が出てきており、後追いで開発する意義があるのかという問い合わせについては、たしかに現在、低分子医薬品や抗体医薬の開発が先行していますが、一つの薬ですべてを満たすのは現実的には難しいと考えられ、それらとは作用メカニズムの異なるペプチド治療薬は医療現場が求めるものになると考えております。

なお、12日の14時30分から当社1階ホールにおいて、新会社に関するマスコミ向け説明会を開催しました(司会は私が行いました)。プレスリリースを見たNHKやテレビ東京から急遽参加の申し込みがあり、それらは当日のニュースとしてテレビで放映されました。

今回の新型コロナウイルスの影響は、ありとあらゆる業種・業界が影響を受けており、私個人としてはこの新型コロナウイルス感染症の克服に対して何らか貢献したい、治療薬の開発を支援したいという強い想いを形にした会社はとてもユニークな存在だと思っています。ペプチエイドの代表取締役社長に就任した舛屋(当社の取締役副社長)も気合いが入っており、早期実用化に向けて“全集中”して走り切ってくれるのではと期待しています。

       左から舛屋 圭一(ペプチドリーム 取締役副社長)、長堀 泉(富士通 執行役員常務)、
  大町 祐輔(みずほキャピタル 代表取締役社長)、野村 信一(竹中工務店 常務執行役員)、岸田 充弘(キシダ化学 代表取締役社長)