みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。今回はIR活動の中で質問を受けることが多い、当社の競合企業についてお答えします。
この答えは、私が先日、当社のコア技術の生みの親である東京大学の菅 裕明教授(当社の社外取締役)に、特殊環状ペプチドを用いて医薬品開発を行う会社は当社以外にもあるのですか?と聞いた際の答えが一番適切と思いますので、それを記載します。
「ありますが、技術が基本的に違います。他社はファージディスプレイという技術でバクテリオファージというウイルスを使っているのでダイバーシティ(多様性)が低く、10の7乗から8乗ぐらいです。この程度では、製薬企業から提供された標的タンパク質に強く結合して機能する特殊環状ペプチドを一発で見つけることは難しいですよ。これに対して我々の技術は、分子1個にRNAがついているだけの構造の分子で、分子の大きさがものすごく小さく、ダイバーシティは10の12乗(1兆種類)あるため、製薬企業からきちんとした標的タンパク質を提供していただけたらほぼ必ず強く結合する特殊環状ペプチドを見つけ出すことができます。またNメチルアミノ酸に代表される特殊アミノ酸を導入し、ペプチドの安定性・体内動態を向上させることができるのはPDPSしかありません。」
少し専門的な答えですが、結論は当社と同じビジネスモデルの事業を行える競合企業はないということです。
なお、菅教授は特殊環状ペプチドというカテゴリーを創り出した人物として世界的に知られており、菅教授の発表をずっと追っている菅ウォッチャーと呼ばれる研究者は世界的に増加しています(私も菅ウォッチャーの1人です)。
菅教授の好きな名言がアップル社の創業者であるスティーブ・ジョブズの「絶対にマネのできない、マネしようとすら思わないレベルのイノベーションを続けろ。」です。