2021年2月11日木曜日

2020年12月期決算及び2021年12月期業績予想を発表しました

 みなさん、こんにちは。IR広報部長の岩田です。2月10日(水)の15時30分に2020年12月期決算を発表しました。1月4日に2020年12月期(以下 2020年度)の業績予想の上方修正を発表してましたので、2020年度の業績はサプライズが少なかったと思いますが、売上高、利益ともに1月4日に発表した上方修正の数字をすべての項目で上回り、売上高、利益ともに過去最高を更新しました。売上高は初の100億円を超え、売上高営業利益率は59.9%とこれも過去最高の利益率となりました。

コロナ禍で苦労しましたが、業績に関しては想定以上のものとなりました。一番の特徴は、契約金額の大型化です。これまでの契約一時金やマイルストーン収入は数千万円から十数億円規模であり、これらの積み重ねで当社の売上高は構成されていましたが、数十億円規模の契約が結べる状況になりました。これはフィージビリティスタディといわれる予備試験を行い、化合物の薬としての実現可能性を調べることで得られた数字、データをもとに契約内容を議論する体制が整ってきたことが要因と考えています。これまで培ってきた特殊ペプチドを扱う技術・ノウハウの蓄積が契約条件に活かせるようになってきています。

2020年度の新規契約をみますと、武田薬品工業とのPDC医薬品に関する契約、大鵬薬品工業とのPDPS自動化装置を用いた契約、ペプチド放射性医薬品に関する米国レイズバイオとの契約、大企業との合弁で事業を短期間で進めるスキームとして再生医療・細胞治療向け成長因子事業を行うペプチグロースの設立や新型コロナウイルス感染症治療薬事業を行うペプチエイドの設立など当社独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPSを持つ当社の事業ポテンシャルを実感できた一年でした。ペプチドリームに入社して3年半になりますが、当社の伸びしろの大きさを最も感じた一年となりました。

さて、同時に発表した2021年12月期(以下 2021年度)の業績予想は、売上高110億円以上、営業利益50億円以上、経常利益50億円以上、当期純利益36億円以上としました。決算発表後からアナリスト。機関投資家から減収減益予想について10件を上回る問い合わせをいただきました。

決算短信の9ページの真ん中あたりに今回の2021年度の業績予想の前提となる考え方を「新型コロナウイルス感染症の収束時期を見通すのが難しい現時点において、医薬品業界の研究開発全般にとって、2021年度は昨年度同様か場合によってはそれ以上に厳しい市場環境になるものと予想しております。」と記載しています。私なりにかみ砕いて説明しますと、製薬企業の経営環境がコロナ禍で不透明なので2021年度はパートナーやパートナー候補先の製薬企業が研究開発費を削減したり、絞り込んだりするような動きもあり得ることを前提として当社の業績予想を作成したということです。この前提については、問い合わせのあったアナリストの多くからそこまで厳しくはならないと思いますよと言われましたが、当社の懸念が杞憂に終わることを願っております。そういう厳しい状況を前提としての業績予想と考えてください。

一方で、当社としてはPDPSから得られる特殊ペプチドを用いた創薬は順調であり、進行プログラム数は昨年1年間で13プログラム増加し2020年12月末時点で120プログラムとなっています。2021年度もさらに増加することが見込めるため、昨年1年間で27名増加した従業員数を2021年度も24名増加させる予定です。当社の研究開発費も2021年度は前年度比4.3億円増加させる予定であり、経費全体としては前年度比10億円以上の増加となる見通しですが、製薬企業が新薬開発に力を入れてきた際にはその好機を逃さないように十分な準備を積極的に行う予定にしております。

IR担当者としては、2020年度以上にワクワクする契約やプログラムの進捗の話がお伝えできると考えております。私が実感している“PDPSを用いた事業のポテンシャルはすごいな”という想いを多くのみなさまに共有していただけるように努めてまいります。今後のIR広報ブログを楽しみにしてください。